アドバタイジングウィークアジア2019応援企画 #03

布袋寅泰が新アルバムを引っさげて登場「夢、チャレンジ、変化は自分を豊かにする大切な言葉」

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「会津若松市のスマートシティ計画に、マーケターも注目」 本田哲也さんがアドバタイジングウィークの見所を紹介
 5月28日から30日まで東京ミッドタウン(東京・港区)で広告業界の祭典「Advertising Week Asia 2019」が開催された。29日にはスピーカーとして、日本を代表するギタリストであり、プロデューサー、作詞・作曲家としても活躍する布袋寅泰氏と、電通ビジネスデザインスクエアの国見昭仁氏が登壇。世界で活躍するアーティストならではの視点で、クリエイティビティの源泉や時代感などについて語った。
 

「燃え尽きようぜ」と始まったBOØWY


 映画『キル・ビル』のテーマ曲などで世界的にも知られ、現在はイギリスを拠点に活動している布袋寅泰氏はこの日、『GUITARHYTHM』シリーズの10年ぶりとなるニューアルバム『GUITARHYTHM Ⅵ』をリリースした。

 『GUITARHYTHM』は、BOØWY解散後の1988年にソロデビューを果たした際のアルバムタイトルで、布袋氏にとって大切な “ギター”と“リズム”、2つのキーワードを合わせたもの。この最新作には元BOØWYのドラム・高橋まこと氏、ベースの松井常松氏が参加した新曲『Thanks a Lot』を収録。3人の共演は、1988年4月5日、東京ドームで行われたBOØWYのラストライブ以来、31年ぶりということでも話題になっている。



 BOØWY時代を振り返った布袋氏は、「小さなライブハウスから始まって、最後は大きな東京ドームまで。短い時間だったけど青春を駆け抜けた、ある種『燃え尽きたい症候群』。僕らが見ていたアニメも、『あしたのジョー』とか、ヒーローは最後燃え尽きる。バンドも燃え尽きようぜといって始まった。ナンバーワンのバンドになって次の世界へ。そうやってバンドを解散して1人になりました」と懐かしんだ。
 

最新の布袋が「最高の布袋」


 1988年にソロデビューを果たし、「自由になったと同時に孤独を感じることがあった」と話す布袋氏は、コンピューターとギターだけのBOØWY時代とは全く違う新しいサウンドに挑戦。それが31年前にリリースしたソロデビューアルバム『GUITARHYTHM』だ。

 「あの時に思い切ったコンセプト、チャレンジを自分に課したことで未来が広がりました。今までつくったものをなぞらない勇気が31年後の僕をつくってくれた気がします」(布袋氏)。



 布袋氏といえば、“最新の布袋が最高の布袋” のメッセージが有名だ。それを体現すべく、挑戦し続けてきた集大成とも言える最新作には、どのような思いが込められているのか。

 「表現者として考えていること、自分の中にあるものを伝えることは基本。今生きている時代を反映した作品でありたいと常に思っています。と言っても今そのものじゃいけないし、ちょっとずれている、もしくは一歩先にいっている、そんな作品を描きたい。

 Netflixの『Black Mirror』は観ました?ちょっと先の未来を描いた短編集で、そこにまつわるAIやテクノロジーが人間にどう影響するのか、いいだけじゃなくダークな後味の悪い話で。未来はどこにいこうとしているのか。ここから見る未来とはどんなものなのかをテーマに、ロックアルバムでありながらSF映画のような映像的、耳で見るというか、そういう作品に仕上がっています」(布袋氏)。

 また、高橋氏、松井氏との共演について、「楽しかったですよ。31年ぶり。いいもんですね。昔の仲間とツーリングして風を感じるような、テニスをして久しぶりにラリーを交わすような。BOØWYというバンドは大きな存在なので、『またやろう』というのは勇気がいる部分もあったんだけど、それぞれ大人になって、それぞれ音楽が好きで。みんな白髪が出てきて、30年前の尖った風貌でもテンションでもないけど、あの頃と変わらない僕たちがいて。それは嬉しかった。いろんなストーリーがこの曲(『Thanks a Lot』)には詰まっています。仲間っていいなって思います」と心境を口にした。

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