マーケターズ・ロード 湖池屋 佐藤章 #03

キリン時代に体得した、業界を超えて通じる「掟(おきて)」 湖池屋 佐藤章社長

佐藤さんに影響を与えた歴代の経営者たち


——キリン時代に得た経験も大きかったのですね。「佐藤さんを育てた人」にはどのような方々がいるのでしょうか。



 元キリンホールディングス代表取締役社長(元取締役会長)の加藤壹康さん、そして現在・明治屋会長をしている米井元一さんは、特に印象に残っています。

 加藤さんには、ビジネス・経営とは何たるかを教えてもらいました。言われたのは、とにかく「グローバルの視野」で考えろということです。日本のことを考えるのはいいが、「世界の中の日本」であることを忘れてはいけないと。

 その教えが、このグローバル時代だからこそ、日本らしい佇まいを貫いていこうという湖池屋の意思にもつながっていると思います。日本で初めてポテトチップスの量産化に成功した企業として、「湖池屋」という名を掲げて事業を行うからには、日本らしさは変わらず大事にしていきたいと考えているのです。

 米井さんと出会ったのは、私がまだ30そこそこの“小僧”だった時代です。お二人からは、商品とは何か、商品開発とはどういうものかを教わりました。

 あと、元キリンビバレッジ社長の前田仁さん(「一番搾り」「淡麗」「氷結」などを開発)からも、大きな影響を受けましたね。当時からキリンの社員の視座はいつも高く、「メーカーとはどうあるべきか」を常に考えていて、私は彼らのそういう発想が大好きでした。

 何にせよ、お客さまの変化に目配せしながら、その「らしさ」を守り、さらには増大させていくのがマーケティングの醍醐味でしょう。マーケティングを知っている人材が経営をみるのが、企業成長の鉄則と言えるのではないでしょうか。
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「次の湖池屋の柱をつくれ!」なんて堅苦しい言い方で、アイデアは出てこない 佐藤章社長
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