ミレニアル世代の旗手たち 徳力基彦インタビュー企画 #17
腕利きマーケター、ディノス・セシール 石川森生氏が語る「キャリアのターニングポイント」
2020/04/07
ミレニアル世代を代表するビジネスパーソンにアジャイルメディアネットワークの徳力基彦氏がインタビューし、現代のマーケティング担当者が知っておくべき消費者行動や、その捉え方を探ります。
第9回は、ディノス・セシール CECOを務める石川森生氏が登場。石川氏はSBIホールディングス、ファッション通販サイト「マガシーク」、製菓・パン材料のECサイト「cotta」を運営するTUKURU代表取締役社長など、デジタル領域でキャリアを積み、2016年に総合通販のディノス・セシールに入社。
デジタル領域を出自としながら、DMなどリアルな手法をデジタルと組み合わせることで成果を出し、昨年は全日本DM大賞のグランプリを受賞。若くして成果を出し、マーケティング領域で注目を集めています。
今回はEC業界から、あえてカタログを強みにする通販会社に飛び込んだ背景に迫りながら、これからの企業やマーケターに必要な考え方について迫ります。
第9回は、ディノス・セシール CECOを務める石川森生氏が登場。石川氏はSBIホールディングス、ファッション通販サイト「マガシーク」、製菓・パン材料のECサイト「cotta」を運営するTUKURU代表取締役社長など、デジタル領域でキャリアを積み、2016年に総合通販のディノス・セシールに入社。
デジタル領域を出自としながら、DMなどリアルな手法をデジタルと組み合わせることで成果を出し、昨年は全日本DM大賞のグランプリを受賞。若くして成果を出し、マーケティング領域で注目を集めています。
今回はEC業界から、あえてカタログを強みにする通販会社に飛び込んだ背景に迫りながら、これからの企業やマーケターに必要な考え方について迫ります。
インターネットは、あくまで「お金を稼ぐ」手段だった
徳力 石川さんは、1984年生まれですよね。ミレニアル世代の人たちは、学生時代からSNSに触れていて、インターネット上で友だちとコミュニケーションをとることに慣れているため、私たちの世代とはビジネス感覚が根本的に違うのではないかと考えています。
インターネットに大学生の頃に触れたのが、いわゆる“76世代(1976年前後に生まれた経営者)”ですが、私はもっと若く中学生ぐらいの頃にインターネットを経験している新しい世代のビジネスパーソンが1987年周辺にもうひとつの山を築いているという仮説を持っているんです。例えば、SHOWROOMの前田裕二さんや研究者の落合陽一さんが該当します。
そういうわけで、今日は同世代の石川さんにお話を伺いしていきたいのですが、インターネットに最初に出会ったのは、いつごろですか。
石川 ユーザーとしては、小学校6年生か中学校1年生くらいですかね。5つ上の兄がコンピュータ好きで、気付いたら家にインターネット回線が通っていたんですよ。ただ、私はコンピュータにもインターネットにも興味はありませんでした。
石川 森生
ディノス・セシール CECO(Chief e-Commerce Officer)新卒でSBIホールディングス入社。SBIナビ(現・ナビプラス)の立ち上げに参画、営業統括の責務を担う。その後、ファッション通販サイトのマガシークにてマーケティング部門の責任者、製菓製パン向けECサイトcottaを運営する株式会社TUKURU代表取締役社長を歴任。イントレプレナーとして常に企業の課題解決に従事。2016年2月、株式会社ディノス・セシールでCECO(Chief e-Commerce Officer)に就任。同年7月よりEC本部を組織。既存の枠組みを超える、サスティナブルなECビジネスを構築するというミッションを実践している。
ディノス・セシール CECO(Chief e-Commerce Officer)新卒でSBIホールディングス入社。SBIナビ(現・ナビプラス)の立ち上げに参画、営業統括の責務を担う。その後、ファッション通販サイトのマガシークにてマーケティング部門の責任者、製菓製パン向けECサイトcottaを運営する株式会社TUKURU代表取締役社長を歴任。イントレプレナーとして常に企業の課題解決に従事。2016年2月、株式会社ディノス・セシールでCECO(Chief e-Commerce Officer)に就任。同年7月よりEC本部を組織。既存の枠組みを超える、サスティナブルなECビジネスを構築するというミッションを実践している。
徳力 あんまり、インターネットに触れてこなかったんですかね。
石川 はい。ただ、そんな中で私がいつもチェックしていたのがYahoo!ショッピング。中学生の頃に「コンバースの靴が欲しいなあ」と眺めていたのが、最初のインターネット体験かもしれません。でも、そのうちオークションサイトのヤフオク!ができて、買うよりも先に売るようになっていましたね。
徳力 えっ、中学生でヤフオク!ですか。
石川 はい、中学校の3年生頃ですかね。骨董好きの親父が蚤の市などで買ってきたガラクタを売っていました。親父は自分のことを目利きだと思っていて、買ってきたものに「価値がある」と言い張るわけですが、家族からすると全部ゴミです(笑)。だから、親父が買った金額よりも高く売れたら認めようという話になり、私がヤフオクに出品し始めたんですよ。
徳力 テレビ番組の「開運!なんでも鑑定団」みたいですね。お父さんは100万円だと言い張っているけど、家族は1万円だと思っているみたいな(笑)。つまり、石川さんにとってのインターネットへのファーストコンタクトは、売る側だったんですね。
石川 そうですね。高校生になってからは、部活のバスケットボールばかりしてアルバイトをする時間がなかったので、小遣い稼ぎに乗り出しました。
当時まだH&Mが日本に出店していなかったことに目をつけて、H&Mの本拠地であるスウェーデンに住んでいる友人に服を買ってもらい、日本に箱で送ってもらって、ヤフオク!で5倍くらいの値段を付けて売っていました。
徳力 えっ、凄すぎます。高校生から立派な商人ですね(笑)。それは、その後も続けるんですか。
徳力基彦
アジャイルメディア・ネットワーク アンバサダー・ブロガー /ピースオブケイク note
プロデューサーNTTやIT系コンサルティングファームなどを経て、 2006年にアジャイルメディア・ネットワーク設立時からブロガーの一人として運営に参画。「アンバサダーを重視する アプローチ」をキーワードに、ソーシャルメディアの企業活用についての啓蒙活動を担当。2009年2月に代表取締役社長に就任し、2014年3月より取締役。2019年6月末で退任、7月から現職。同月 ピースオブケイク noteプロデューサー/ブロガーにも就任。
アジャイルメディア・ネットワーク アンバサダー・ブロガー /ピースオブケイク note
プロデューサーNTTやIT系コンサルティングファームなどを経て、 2006年にアジャイルメディア・ネットワーク設立時からブロガーの一人として運営に参画。「アンバサダーを重視する アプローチ」をキーワードに、ソーシャルメディアの企業活用についての啓蒙活動を担当。2009年2月に代表取締役社長に就任し、2014年3月より取締役。2019年6月末で退任、7月から現職。同月 ピースオブケイク noteプロデューサー/ブロガーにも就任。
石川 いえ、大学に入ってからは、していないですね。自分の時間ができて、アルバイトをして稼げるようになりましたから。
高校生の頃は、単純に一番楽に稼げる方法がヤフオク!だったという理由だけで、インターネットで物を売ることに興味があったわけではありませんでした。