新型コロナウイルス対策 緊急アンケート調査 #02

東京オリンピックの延期がチャンスに? マーケティング領域への影響を調査

前回の記事:
新型コロナ感染拡大による仕事減。マーケティング業界の苦悩【緊急アンケート調査】
 

7-8月の需要の高まりを期待していた企業にも影響


 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて、東京オリンピック・パラリンピックの1年延期が決まった。

 アジェンダノート編集部では、東京オリンピック・パラリンピックの延期がマーケティング領域にどのような影響を与えているのか、アンケート調査を実施した(※「新型コロナウイルス感染拡大についてのアンケート調査」と同時実施)。
 
<調査概要>
対象:ブランド企業[事業主としてマーケティングコミュニケーション活動(広告出稿など)を行っている立場]と、パートナー企業[コンサルティング会社、広告会社、ソリューションプロバイダー、メディアなど、ブランド企業を支援する立場]、調査期間:2020年3月31日~4月3日、回答数:94、調査手法:インターネット



 マーケティング活動(または、その支援活動)への影響を尋ねたところ、53.2%が「影響がある」と答えた。

 当然、スポンサー企業ほど影響は大きく、「まだ見えない部分が多いが、いろいろと変わる」「オフィシャルショップやグッズ販売の中止。それに伴う、調整に当たっている」など、オリンピック開催に合わせて予定していた新商品やキャンペーン、イベント延期の調整に当たっていることがうかがえる。

 また、オリンピックの延期によって、7-8月に需要が高まると期待していた企業も多い。訪日外国人はじめ観光客の増加が期待できなくなり、「一部の店舗をリニューアルし、来客数の増加を期待していたが見込めなくなった」「予定していたハイヤー、シャトルバスなどの利用客が激減する」という声が出ている。

 さらに都内で自社イベントを開催している企業の苦悩も垣間見える。「イベントを毎年夏に開催していたが、オリンピック開催のため今年は実施しないと決めていた。しかし1年延期になり、次の開催をいつにするか検討しなければならない」、「(使用できる都内会場が少なくなることを見越して)2021年に開催予定のイベントの会場探しを急遽始めることになった」といった声が出ている。
 
Chaay_Tee / Shutterstock.com
 

2020年のプロモーションを強化する企業も


 一方で、東京オリンピック・パラリンピックの延期をチャンスとして捉えている企業もいる。

 「オリンピック協賛企業のプロモーションが空くため、その期間を強化していく方針」「オリンピックの放映で影響を受けていた、テレビCM出稿枠などが変わるだろう」など、オリンピックスポンサーの競合企業にとっては反転攻勢に出る機会になるかもしれない。

 また、ブランド企業を支援するパートナー企業側にも「クライアントがマーケティングプランを見直すことなり、競合他社や媒体社の動向のヒアリングと分析を依頼された」「限定されていたオリンピック期間中の広告枠の選択肢が増加する見込み」など、新たな仕事の発生への期待も垣間見える。

 東京オリンピックの開催延期は、マーケティング領域にも大きな影響を与えている。2021年に向けて、その動向を注視する必要がある。

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