アフターコロナ:マーケティングは、どう変わるのか? #08

リモートワーク中心の時代が到来しても、生き残れるマーケターの条件【今西 陽介】

前回の記事:
コロナ禍で大学は、“最高の映像コンテンツ”をつくる機関に進化する【近畿大学 世耕石弘氏】
 

リモートワークの浸透によって生じた変化


 コロナ禍において、通常のビジネスの枠組みの中では、通用しない事態が多数生まれています。我われマーケターに求められるスキルも、変わる部分と、変わらなければならない部分があります。今回は、こうした変化の時代でも生き残ることができるマーケターの条件について考えていきたいと思います。

 まず環境的な変化を挙げると、リモートワークが浸透して、会社の目がいき届きにくくなったことで、従業員側には今まで以上にはっきりとした「成果=アウトプット」が求められるようになりました。それに伴い、会社の価値観にも大きな変化が起きています。

 今後は、上長から見た時に「あいつは会社のために、いつも一生懸命に頑張ってるな」といった、成果が伴わない定性的な温度感だけで評価がプラスになる事態はほとんどなくなるでしょう。また、対面でのビジネス交渉という名目で会食ばかりしていた人も、これまではなんとなく仕事をしている感を醸成できた部分があったと思いますが、今後はそんな所謂「足で稼ぐ型」のスタイルを変える必要に迫られるはずです。



 誤解なきように言いますと、足で稼ぐ型を否定しているわけではありません。私も基本的に対面でこそ生きる足で稼ぐタイプですが、オンラインミーティングを中心にやり方を変えていかなければならないと思っています。

 リモート環境になり、「オンラインミーティングでは自分の良さがあまり出せないんだよねぇ」と言っていると間違いなく生き残れません。コロナ禍がおさまったとしても、対面でのミーティングは以前より減り、重要なケースに絞られるでしょう。マインドを切り替えて、「オンラインミーティングのプロ」になるに何が必要かを考えて、棚卸しをしなければなりません。

 この状況は、誰しもが平等な「1日24時間」というルールの中で、成果というアウトプットが重視されるように、世の中の価値観を大きく転換させます。すなわち、自分自身が「どんな価値を会社に対して提供できているのか」が、より明確に求められるということ。それが、リモート環境で誰も見てないところでも、きっちりとやりきることが求められます。これは、そもそもリモートが広がる前からでも、当たり前の概念ですが(笑)。

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