人はなぜ、ガンダムを愛してしまうのか？【音部で壁打ち】

 

機動戦士ガンダム好きのマーケターが多い背景は？

 本当にガンダム好きが多いのか、たまたま目につく人がSNSにあげているだけなのか、投稿量は大したことないのに記憶に残るから頻繁に見ている気がしているのか、正確なところは分かりません。

 ファンの絶対量を考えれば、『週刊少年ジャンプ』系のアニメあたりも相当多そうです。あえて投稿しないまでも、ルパン三世や名探偵コナンが好きな人もいるでしょうし、ジブリ作品の人気も高そうです。

 とはいえ、ガンダムと似た感じの作品で言うと、エヴァンゲリオンや装甲騎兵ボトムズや、もう少し遡って宇宙戦艦ヤマトが、それほどSNSで目につかないことを考えると、ガンダムには固有の何かがあるのかもしれません。
 
 世の中に上手く説明できないことはたくさんありますが、「人はなぜガンダムを好きになるのか」の問いにも答えられないことは、個人的に最も残念な課題のひとつでした。ついにこの質問が来てしまいましたので、積年の課題に挑んでみたいと思います。

 これまでに多くの知識人や哲人が、同じ問いに対し多種多様な回答や解説をされてきました。それぞれ一面をとても正しく言い当てているものの、多くの記述はガンダムに限ったことでもないように思います。たとえば、次のような説明です。
 

• 一方的な勧善懲悪ではなく、自由と正義の相対性を示したから。
• 登場人物たちが社会で成長する群像劇で共感しやすいから。
• 主人公が情けない感じで感情移入しやすいから。
• とはいえシャアに憧れるから。
• モビルスーツのデザインがカッコいいから。
• そしてプラモデルで立体化してつくったり塗ったり飾ったりして楽しめるから。
• 同好の士と飲めば時代と世代を超えて盛り上がれるから。
• ランバ・ラルだから。
• 量産型が多くて戦争の悲哀を描いているから。
• 人類の進化の話が閉塞感のある社会に受け入れられたから。
• 宇宙の時代だから。
• むしろ、もはや宇宙の時代ではないから。
• 音楽がいいから。歌手が素敵だから。
• 自立した女性がリーダーシップを発揮していて現代的だから。
• ガンダム好き≒私の好きな人であることが多いから。私の好きな人≒ガンダム好きであることも多いから。
• 登場人物たちも視聴者側も、ともに世代交代をしていく年代記だから。