アフターコロナ:マーケティングは、どう変わるのか? #12

コロナで変わったインサイト。生活の断捨離、新しいチャレンジを探す消費者の誕生

前回の記事:
消費者はコロナとの長期戦に腹をくくり、自分らしいニューノーマルを探す旅に出た
 

緊急事態宣言下と解除後の調査で見えた「新・欲求」


 前編では、デコムで発表した【With/Afterコロナに企業が注視すべき消費者の新・欲求“ニューノーマル・プラネット”】のレポートから、「消費者は、コロナとの長期戦に腹をくくって自分らしく価値あるニューノーマルを探す旅をはじめていて、大きくは7つの旅路があること」と、「加速や減衰している消費者の欲求があり、その変化は自社ブランドにとってのオポチュニティにもピンチにもなりうること」をお伝えしました。

 今回の中編では、7つの旅路の中身の新・欲求について紹介していきます。消費者の新・欲求は40個ほどあるのですが、それは次のような情報で構成されています。



【消費キーワード】
 ニューノーマルにおけるビジネス(マーケティング)機会を象徴するキーワードです。消費者の変化で生まれた新しい欲求に応えるために、With/Afterコロナにおいて企業がマーケティングを通じて提供すべき価値を表しています。

【7つの旅路】
 緊急事態宣言下では、現代人が経験したことのないパンデミックの事態に、“混乱し場当たり的に動く消費者の姿”が見て取れました。宣言解除後では、コロナ禍での生活が長引く中で、ある種冷静に“自分らしく価値ある新しい日常を模索する消費者の姿”に変化しています。

 消費者は、コロナとの長期戦に腹をくくって、自分らしく価値あるニューノーマルを探す旅をはじめています。それは、世間一般に共通する正解を求める旅ではなく、コロナ前よりもまして“自分らしさ”を重視した旅路です。明らかになった40の新・欲求で構成される7つの旅路の内、どの旅路に該当するかを示しています。
※7つの旅路のそれぞれの概要については、前編をご覧ください。

【共感スイッチ】
 コロナ禍で生活行動の変化を余儀なくされた消費者や、ニューノーマルにより良く適応しようとする消費者が、求めているが十分に充たされていない欲求です。消費者が、その“未充足の欲求”を満たしてくれそうだと感じれば共感が生まれます。共感の心のスイッチともいうべき、企業が応えるべき消費者の欲求です。

【共感度/持続度/未充足度】
 国内の一般消費者(全国15歳~79歳男女)600人に対して、共感スイッチの共感度、持続度、未充足度についての定量調査を行った結果のスコアです。

 母集団(全国15歳~79歳男女)は、約1億人。「共感度」は、共感スイッチの欲求に共感する(私もそう思う)人の割合、「持続度」は、共感スイッチの欲求がコロナ終息後も、その欲求は持続すると思う人の割合、「未充足度」は、共感スイッチの欲求がいまの生活で充たされていないと思う人の割合です。

 充たされている割合ではなく、充たされていない割合を測る意味は、充たされていな方が企業にとってのオポチュニティになるから。消費者は、すでに充たされている欲求よりも、充たされていない欲求が充たされることに価値を感じ、それを充たすことで、企業は消費者に感謝されます。「前から、こういうのがあったら良かったと思っていたんですよ」という具合です。

【非共感ポイント】
 消費者の興味関心が薄く、スルーされてしまう可能性があることを示しています。場合によっては、消費者の反感につながることも考えられるため、企業が感じさせてはいけないことです。

【代表する消費者事象(n=1)】
 この消費キーワードを象徴する具体的な消費者の行動。共感スイッチを読み解く基となったn=1の定性情報です。

【Beforeコロナの価値】
 ニューノーマルにおいて、消費者が重視する価値の変化を理解するための従前(Beforeコロナ)の価値です。

【With/Afterコロナの価値】
 ニューノーマルにおいて、消費者が重視する価値で、企業が提供すべきことです。

【定量的に共感度+未充足度が高い属性】
 定量調査の結果、各属性で「共感スイッチ」の共感度+未充足度がTOP10に入った欲求を白でハイライトしています。

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