アフターコロナ:マーケティングは、どう変わるのか? #特別編

コロナ苦境の銀座。ライトパブリシティがプロボノで応援「New Style New GINZA Project」

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  買い物客で賑わいを見せていた繁華街は、Withコロナの時代をどう乗り越えていけるのか、各街で模索が続いている。そうした中、日本最大の繁華街と言われる銀座で8月3日、デザインファームのライトパブリシティによる、街に活気を取り戻すためのプロジェクト「New Style New GINZA Project」が始動した。仕事を通じて培った経験とスキルを活かして行う社会貢献活動「プロボノ(Pro bono pablico)」として発案された当プロジェクトが、成立するまでの経緯や具体的な内容、今後の見通しを取材した。


 

新たな銀座をアピールする「New Style New GINZA Project」が始動


 新型コロナウイルスの感染拡大で、街の様子は一変した。特に4月に発令された緊急事態宣言後は街から人が消え、緊急事態宣言が解除されたあとも元のような賑わいを取り戻す見通しは立たないままだ。

 銀座の街も1月までは、昼は中国などのアジア圏をはじめ海外からやってきた観光客がメインストリートを埋め尽くし、夜は飲み屋街やスナック、クラブなどに訪れるビジネスマンが通りを賑わせていた。しかし4月以降は、昼も夜も街の活動はストップ。バーやクラブなどの経営者らが「テーブル席は5人で満席」「扇子で口を覆う」といった“銀座ルール”を話し合い、活気を取り戻そうとするものの、人の戻りは芳しくない。
 
活気のある頃の銀座。

 そんななか、銀座で70年の歴史を築いてきたデザインファームのライトパブリシティが、「New Style New GINZA Project」を始動すると8月3日に発表。第1弾として、銀座1丁⽬~8丁⽬のさまざまな店舗に「おかえりGINZA」というコピーが書かれたのれんやポスター、各店舗で行っているコロナ対策をアピールするポスターなどをデザインし、コロナ対策を徹底しながら銀座に再訪する人々を待っている“新しい銀座”のアピールを目指した。
 

クリエイターのプロボノ活動として発案


 プロジェクトが立ち上ったのは、緊急事態宣言下の4月下旬。撮影現場にすら行くことができず、制作が何一つ進められなかった中で、同社の代表取締役社長の杉山恒太郎氏が「デザインファームとして、何か世の中にできることがあるのではないか」との想いを社員に発信したことから始まった。

 イギリスで、現代美術家のダミアン・ハーストが医療従事者を励ますために、虹のアートワーク「Butterfly Rainbow」をつくって無料で配布。それを一般市民がプリントアウトして家の窓に貼り出すことで、支援を可視化する取り組みをしており、それに感化された杉山氏が同じクリエイティブ領域で、長きにわたって身を置く銀座のために役に立てないかと考えたことがきっかけとなった。
 
Damien Hirst, Butterfly Rainbow, 2020 ©Damien Hirst and Science Ltd. All rights reserved, DACS 2020

 杉山氏の呼びかけにより、挙手制で社内のデザイナーやコピーライターたちがアイデアを提案。その中から精査し、銀座の若い旦那衆を取りまとめている洋服店「壹番館」のオーナーである渡辺新氏に声を掛けて賛同を得た。



 その後、銀座に店舗を構える40~50代のオーナー数人が集まる場でプレゼンを行い、アイデアを形にしていった。

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