RYUKYU note #08後編

コロナ禍で沖縄の観光施設をどう盛り上げるか? 南都 大城宗直社長インタビュー

前回の記事:
沖縄の人気観光施設「おきなわワールド」は、どのように誕生したのか。南都 大城宗直社長インタビュー
 沖縄県は土地柄や歴史的背景に本土と大きな違いがあることから、ビジネスの進め方も従来の方法では、うまくいかないケースがあります。連載「RYUKYU note」では沖縄で活躍する経営者やマーケターをバトンリレー形式でインタビューし、そのサクセスストーリーの裏側にある秘話や、沖縄ならではの戦略や課題、未来に繋がるストーリーをひも解いていきます。

第8回は、自然を活用した観光施設「おきなわワールド」などを経営する南都の代表取締役社長 大城宗直氏。同じく自然を生かした「大石林山」や「ガンガラーの谷」のほか、レストランや酒造、お土産の販売など順調に事業を拡大してきた大城氏に、マーケティング手法や事業を展開する上で大切にしてきたことなどを聞きました(前編はこちら)。
 

観光施設は、業界の中でもコロナ禍の影響が深刻


――コロナ禍で観光客が大幅に減少しましたが、こうした状況の中で特に強化していることはありますか。

 正直なところ、予想以上に悪影響を繰り返し、全国でも沖縄が特に厳しく推移しているため何を強化すべきか、どう変化していくかの見極めが困難な現状です。

 コロナ禍においては天然の観光資源を有する会社として「自然で心呼吸しよう」をキャッチフレーズに屋外ならではの音楽祭を地元テレビとタイアップして開催し、自然を活かした展開を図りました。また、製造に関しては国の補助金も活用しながらECサイト強化にも取り組んでいます。
 
南都 代表取締役社長 大城宗直氏

――いろいろと活動されているのですね。

 はい、優先順番でいうと、他と比べて観光施設はだいぶ下の方なんですよ。

 というのも、たとえば沖縄に旅行に行く場合、飛行機に乗る、ホテルに宿泊する、レンタカーやバスで移動するといったことが必要です。しかし、観光施設に行くかどうかは自由ですし、天候にも左右されます。

 10月・11月の数字を見ても、外を出歩くことにリスクを感じる人もいて、思った以上に厳しいというのが現状です。年間300万人が来場する「美ら海水族館」でさえ、芳しくありません。一方で、ゴルフ場や高級ホテルは回復してきているようですが、そういった施設を利用するお客さまは、あまり観光をしない傾向が強いですからね。

 沖縄の観光業界の中でどのようなマーケットが動いているのかについては、まだきちんと共有されていませんが、傍から見たり、人づてに聞いたりする限りでは、観光のために各地を回られる方は、まだまだ少ない印象です。そこで今は何かを強化するというよりは、最低限の売上を確保するためにも感染予防対策に努め、安心安全な環境をつくることが第一だと考えています。

 ただし、2021年以降に強化して取り組まなければならないと考えていることは、いくつかありますよ。今後は人口減少や少子化で雇用が間違いなく減るでしょうし、インバウンドが増えれば、サービスの環境も変える必要があります。

 コロナ禍以前は幸い絶好調だったため、大きく変えることはしてきませんでしたが、本来であれば来年以降に取り組むべき課題が出てきたということでしょう。

 そうした、いろいろな課題に対して今後どう向き合っていくのか、考えていかなければならないと思っています。

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