トップマーケターがおすすめする、GWに読んで欲しい本 #02
【GWは読書】菅恭一、田中安人、中村淳一、能川一太、藤原義昭が選ぶ「新米マーケター」と「中堅マーケター」へのオススメ本 ②
2021/04/30
- 書評,
この春、新社会人になられた方や初めてマーケティング部署に移動された方は、業務にも少しずつ慣れ、さらに知識を習得したいと思うタイミングではないでしょうか。また、新たにリーダーに任命された中堅マーケターも、このタイミングを生かして再び学習したいと思っているかもしれません。今回のゴールデンウィークで知識や考え方をアップデートして実務に生かせるよう、トップマーケターにおすすめの書籍を紹介してもらう第2弾です。
ベストインクラスプロデューサーズ 代表取締役社長 菅恭一氏
新卒・新米マーケター向けの本:『マーケティングの教科書――ハーバード・ビジネス・レビュー 戦略マーケティング論』
ハーバード・ビジネス・レビュー編集部(編集)
ハーバード・ビジネス・レビューによるマーケティング関連のベスト10論文集です。このうち、新人の方には、まず、以下の2論文をぜひ読んでいただきたいです。マーケティングの仕事がいかに面白く、可能性のあるものか、感じていただけるのではないでしょうか。
- マーケティング近視眼 / セオドア・レビット
「米国の鉄道産業が衰退したのは、自らの事業を鉄道産業と定義したからである」というくだりは、あまりにも有名ですが、製品中心ではなく顧客中心で事業・経営をおこなうことの重要性を説いた、顧客中心マーケティングの原点ともいえる論文です。
- セグメンテーションという悪弊 / クレイトン・クリステンセン
「製品で市場をセグメントするではなく、ジョブ(ベネフィット)で分類すると、その市場は想像以上に大きい」と語られており、価値の切り取り方次第で市場の大きさが変わる、というマーケティングのダイナミズムを感じさせてくれる論文です。
リーダー・中堅向けの本:
『自由の限界-世界の知性21人が問う国家と民主主義』
鶴原 徹也 (編集)
せっかくのGWなので、中堅の皆さまにはあえて"マーケティングの実務から離れてみる"読書をオススメしてみたいです。
この本では、エマニュエル・ドット、ジャック・アタリ、ユヴァル・ノア・ハラリなど世界の知性21人が、不確かな現代をどのように観察しているか、それぞれの目線で語ります。自由主義の肥大化が世界中にもたらしたさまざまな問題、その解釈は、1つにまとまるものでもなく、見方によってさまざまな正義がある、ということを教えてくれます。欧州、米国、中東、アジア、地政学的目線から、世界のいまを考察できる良書です。
グリッドCEO/吉野家CMO/日本スポーツ協会 ブランド戦略委員会委員 田中安人氏
新卒・新米マーケター向けの本:『企画力 「共感の物語」を伝える技術と心得』
田坂 広志 (著)
これから世の中に何らかのインパクトを与えようと意気揚々と企みを目論んでいる皆さんにご推奨する1冊です。
あなたのたくらみで世の中のターゲットの行動喚起させる前に必要なことは、組織のボスを説得して予算を獲得し、仲間を鼓舞しなければいけません。
その時に必要なモノが企画です。
優れた企画書とは「最高の推理小説」だと教えていただける秘策の数々が丁寧に書かれています。世の中を動かす前にまず仲間の心を動かしましょう。
リーダー・中堅向けの本:
『直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN』
佐宗 邦威 (著)
マーケティングの重要性がますます高度化して来ている現代において、中核マーケッターの苦悩は高く深くなってきています。
そこで皆様にお伝えしたいのがビジョンドリブンで思考し、妄想力で突破せよ!!です。皆様は論理のみで周りを動かそうとしがちですが、右脳と左脳を上手に行ったり来たりさせながら突破する思考法が紹介されています。
“難攻不落の課題だからこそ想像を超えた。妄想力で突破せよ!!”