売れるモノにはワケがある。PR目線で読み解くヒットの構造 #04
大切なのは「自分で見つけた感」 街のクリーニング店から学んだSNS時代のPR【ラウツマ 松浦隆】
現代人は、もはや息をするようにインスタ検索をしている
先日、女性の友人(31歳OL)と飲んでいたときの話です。「最近、Instagramでいいクリーニング屋さんを見つけたの!」と彼女。
「ん?…インスタでクリーニング屋を見つける?どういうことだ?」と思った私は、すでに立派なオヤジと化しているわけですが、聞くと「#(ハッシュタグ)目黒」とか「#祐天寺」といったワードをフォローして、自分の住んでいる地域の情報を集めているそうです。
確かにそれだと、Googleなどの検索エンジンを使って「目黒区 居酒屋」とか「祐天寺 ランチ」「目黒駅前 クリーニング屋」といちいち検索しなくてもいいですし、リアルタイムで「こんな新しいお店が近くにできたよ」「駅前のこのカレー美味しそうでしょ?」といった具合に、徒歩圏内の新鮮な情報を常に得ることができるわけです。
たとえすぐに利用することはなくても、興味のあるものをストックしておけば、何かのときに役に立つ。31歳のOLでも、そういった利用をしているということは10~20代の若者は、きっともっと有効活用しているのではないかと思います。
そして、その友だちは「そのクリーニング屋さんは、連絡すると洗濯物を取りに来てくれて、もちろん仕上がったら配達してくれて、しかもその料金はタダ!さらに冬物のコートやダウン、羽毛布団なんかは来年まで保管してくれるサービスもあるの」と言いながら、そのお店のWebサイトをスマホに表示させて「松浦さんの家も配送地域になっているから、今度利用したら?」と。
そのクリーニング店は、「クリーニングミハシ」という名でした。
クリーニングミハシ、立派にSNSを活用したPRができていますよね。とはいえ、お店側はInstagramを利用していないようなので、おそらくはそこまで狙ってやっているわけではなさそうです。誰かが発信した「このクリーニング屋さん使える!」的な情報を偶然彼女が拾い、それが僕のところまで伝わってきたのでしょう。
しかし、当然意図してSNSを活用したPRやマーケティングはSNSの発展とともに増え続けており、近年、その内容は変化してきていると思います。
そして言うまでもなく、このSNS活用は、現代のPRを語る上で欠かせないものになっています。