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売れるモノにはワケがある。PR目線で読み解くヒットの構造 #05

「IQOS」「経口補水液」ヒット商品には、未来を見据えたPR活動がある【ラウツマ 松浦隆】

経口補水液への注目は、大塚製薬の“未来を見据えたPR”の賜物か?

 そして、新たなビジネスチャンスがあるところには、確実にPRが伴います。

 例えば、昨今の猛暑・酷暑の中、注目されているもののひとつに「経口補水液」があります。私が思いつくのは大塚製薬の「OS-1(オーエスワン)」くらいですが、調べてみると、大手飲料メーカー数社からそれぞれ発売されているようです。

 とはいえ、認知度を考えると、やはり「OS-1」の宣伝・PRが、1歩・2歩先を行ってると言えるのではないでしょうか。本来は、食当たりや風邪による下痢、嘔吐、発熱で引き起こされた脱水症状を補う水分補給のための商品ですが、大塚製薬では6年ほど前からタレントの所ジョージさんをイメージキャラクターに起用し、テレビCMを中心に「熱中症対策」として打ち出してきました。
 
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 今年は例年にないほど猛暑日が続き、各局のニュースやワイドショーでも「できれば経口補水液などを飲むなどして熱中症対策をしてください」と呼び掛けています。これが大塚製薬の読み通りだとしたら、まさに“未来を見据えたPR”と言えるのではないでしょうか。

 自分ごとで言えば、PRの立場から未来を予見し、企業にプレゼンをする。どこまで信じてもらえるかはわかりませんが、そんな挑戦もアリではないかと思っています。すでに、いくつかのビジネスを想像してはいますが、こちらで紹介するのは控えておきたいと思います(笑)。

 ちなみに前出の平木教授は、スパコンの世界においてすでに2030年の未来を見据え、ロードマップを描いているそうです(参考)。

 しかし、時代の流れとは言え、愛煙家の肩身はますます狭くなるばかり。ここは前向きに、のんびりと2年かけて禁煙を検討してみることにします。
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