RYUKYU note #12前編

「締めはステーキ」沖縄の独自文化を全国に広めたステーキ店「やっぱりステーキ」の拡大戦略

前回の記事:
沖縄・みたのクリエイト田野治樹社長が語る、串カツ田中との提携の次の戦略
 沖縄県は土地柄や歴史的背景に本土と大きな違いがあることから、ビジネスの進め方も従来の方法では、うまくいかないケースがあります。連載「RYUKYU note」では沖縄で活躍する経営者やマーケターをバトンリレー形式でインタビューし、そのサクセスストーリーの裏側にある秘話や、沖縄ならではの戦略や課題、未来に繋がるストーリーをひも解いていきます。

第12回は、1000円ステーキを提供する「やっぱりステーキ」を運営するディーズプランニング 代表取締役 義元大蔵氏が登場。2015年に第1号店を那覇市でオープンしてから県内に店舗を広げ、わずか2年後の2017年に県外へ進出。昨年東京にも進出を果たし、コロナ禍でも黒字を保ったまま、全国に75店舗を構えるほどに拡大しています。好調の背景には、どのような強みや考えがあるのか。経営観なども含めて、お話を聞きました。
 

高品質で安くがモットー、普段メニューに乗らない部位でも気軽に食べられるステーキを体現


――「やっぱりステーキ」の他店にない特徴は何でしょうか。

 一番の特徴は、ステーキなのにファストフード化しているところです。一般的にはステーキは高いというイメージがあり、頻繁に食べるものではないと思われているので、晴れの日や給料日といった特別な日にしか食べないものでした。

 それに対して「やっぱりステーキ」は、高品質だけれど1000円でお腹いっぱい食べられるステーキを提供し、牛丼のように日常のなかで気軽に選べる食事の仲間入りをしました。当時はここまで安いステーキがほかになかったため、当社はいわば1000円ステーキの元祖のようなものでした。
 
義元大蔵
ディーズプランニング 代表取締役

――沖縄では「締めにステーキ」という文化が有名ですよね。

 はい、沖縄には飲んだ後の締めにラーメンではなくステーキを食べる習慣があります。でも、実際のところ以前は、締めにステーキを食べる習慣はそこまで広く定着していなかったように思います。

 そこで当社が締めのステーキを前面に出してリーズナブルで美味しいステーキが食べられる「習慣」をアピールしていったところ、「締めのステーキって結構いけるじゃん」と「ラーメンより胃がもたれにくい」ということが徐々に知られていき、沖縄以外にも広まるようになりましたね。

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