RYUKYU note #12前編

「締めはステーキ」沖縄の独自文化を全国に広めたステーキ店「やっぱりステーキ」の拡大戦略


――県外に出店するうえで、目標としたことは何でしょうか。

 FC化すると決めていたものの、人に任せるにはそれ相応の形ができていなければいけないと考えていたため、マニュアルなどを整えるために2年ほど時間をかけました。どこに足を運んでも同じ接客と同じ味で満足いただけないと「やっぱりステーキ」ではないのです。全店舗の品質の保持が目指すところのひとつでした。

 東京にも出店していますが、それは必然性に迫られて出店したという方が正しいです。というのも、実は東京への出店にはまったく興味がなかったんです。普通なら、沖縄の人間は都会に出たいと考えます。東京というのは、飲食もそうですがビジネスをする上でひとつの目標です。でも自分は東京が苦手で、人混みも歩くスピードが速いのも大嫌いだったので(笑)、まったく興味を抱きませんでした。だから、県外で最初に出店したのは大分でしたし、その後も福岡、名古屋と開店していきましたが、東京には出さなくてもいいかなと考えていたほどでした。

 結局51店舗目にして東京出店が決まったのですが、東京には全国区で展開しているメディアが多くあります。そこで一度取材を受ければ、一気に全国に名前が売れます。昨年東京に出店した際には全国区のテレビ局をはじめとする5局が取材に訪れ、「ガイアの夜明け」や「沸騰ワード10」などの有名番組にも取り上げていただきました。それによって東京だけでなく、仙台や札幌の売上までも2倍になったんです。やはり東京に出店すると、明確な広告効果が表れるのです。

 地方への出店であれば、取材を受けたとしてもそのエリアで話題になるだけです。全国的に話題化しようと思えば、すべてのエリアで広告になるような施策、計画をしなければなりません。でも、全国区のメディアで取り上げられれば認知度はいっきに上がります。東京で話題になっている店が実は近くにあると知れば、地方での客足も伸びる実体験が出来ました。

※後編「快進撃の「やっぱりステーキ」、変わらぬ信念とアイデアでコロナ禍でも黒字化できた秘策に迫る」に続く
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