【読書の秋】自分を成長させてくれた書籍 #02
【読書の秋】ユナイテッドアローズ 藤原義昭氏、近鉄都ホテルズ 能川一太氏の「自分を成長させてくれた書籍」②
2022/10/06
- 書評,
Agenda noteでは、読書の秋であるこの時期に、毎年トップマーケターにおすすめの書籍を紹介してもらっています。今年のテーマは「自分を成長させてくれた書籍」です。日々学び、成長し続けているトップマーケターが、マーケター、ビジネスパーソンとして、自分自身を成長させてくれたと感じる書籍を1冊紹介しました。
ユナイテッドアローズ 執行役員 CDO(最高デジタル責任者) 藤原義昭氏
自分を成長させてくれた書籍:
現代思想入門
千葉雅也(著)
「マーケティングのメディアで、なぜ哲学の本の紹介?」と思った人もいるでしょう。物事はその見方によって、いかようにも形を変えることができ、その人にとっての価値も変えることができます。要は、自分次第ということです。
本書は1960年代後半から仏で中心に展開された「ポスト構造主義」の賢人の考えを通して、現代哲学の一部を理解するという内容です。
生産性を高めるためには、物事に秩序を与え、何事もシンプルに考える。例えば「二項対立で捉えて考える」ということに陥りがちですが、それはクリエイティブを排除するということと同じ意味です。現代のこれだけ多様性に富んだ世界で生きていくためには、排除され、ノイズだとされていたことを肯定しながら、その結果、複雑な事象を解像度高く理解できる、究極のHow to本です。
「新しいアイデアが思いつかない」、「人と違う意見が出せない」というときに、是非こちらの書籍を読んでもらいたいです。
近鉄都ホテルズ 執行役員 能川一太氏
自分を成長させてくれた書籍:
調理場という戦場―「コート・ドール」斉須政雄の仕事論
斉須 政雄 (著)
「底辺にいる人だけが雑用をやり、あとの皆んなは遊んでいる」。
著者は、そんな当時の日本の料理界を離れたいと、単身フランスに渡りました。そして12年後に帰国し、東京の白金高輪で自分の理想を体現したお店を開きます。基本を徹底して、決して驕らず、自分がされて嫌だったことは人にはしない。そんな当たり前だけど、なかなか皆んなが出来ていないことを愚直にやり抜く。これは、とても大切なことで、私もそういう人でありたいと改めて思わせてくれました。料理人が主役の書籍ですが、ビジネスパーソンにこそお勧めです。
今回、「自分を成長させてくれた書籍」というテーマを受け、何冊か思い浮かびました。それが、過去の読書企画で紹介した書籍と重なるんです。テーマは違っても、心に残る書籍は限られているんですね。いや、私自身が偏っているのかもしれないな、そんなことを考えました。そのため、今年読んだ書籍の中からちょっと感動した、つまり鼓舞してくれた、そういう意味で私を成長させてくれた本を紹介することにしました。料理人が執筆しているので、皆さん読んだことがないのではないかと思います。私もホテル業界に身を置いていなければ、そして料理人について考えることがなければ、出会わなかったであろう、そんな一冊です。
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