【読書の秋】自分を成長させてくれた書籍 #03

【読書の秋】パイオニア 石戸亮氏、元ユニ・チャーム 木村幸広氏の「自分を成長させてくれた書籍」③

前回の記事:
【読書の秋】ユナイテッドアローズ 藤原義昭氏、近鉄都ホテルズ 能川一太氏の「自分を成長させてくれた書籍」②
  Agenda noteでは、読書の秋であるこの時期に、毎年トップマーケターにおすすめの書籍を紹介してもらっています。今年のテーマは「自分を成長させてくれた書籍」です。日々学び、成長し続けているトップマーケターが、マーケター、ビジネスパーソンとして、自分自身を成長させてくれたと感じる書籍を1冊紹介しました。
      

パイオニア チーフ・デジタル・オフィサー(CDO) 石戸亮氏


自分を成長させてくれた書籍:
人を動かす
デール カーネギー(著)
 

 皆さんも一度は読んだことがあるであろう名著、1937年出版のデールカーネギーの「人を動かす」です。20代の頃から何度も繰り返し読んでおり、現在も3カ月に一度は目次に目を通している書籍です。初めてマネジメント職となった20代の頃は、会社のデスクの引き出しに目次のコピーを入れ、毎朝一読してから一日の仕事をスタートしていました。

 また、手帳にも目次のコピーを入れ、いつでも見れるようにしていました。書籍のタイトルは「人を動かす」ですが、自分自身がどう変わるか、成長するかという内容だと私は思っています。もう10年以上、数えきれないほど目次を見たり、再読したりしていますが、まだまだできていないことばかりで、これからもお世話になると思います。

 以下、目次から一部抜粋です。個人的には3カ月に一度、目次を見たり、気になった章を読んでみたりするなどの習慣化をお薦めします。
 
  • PART1 人を動かす三原則
    • 盗人にも五分の理を認める
    • 重要感を持たせる
    • 人の立場に身を置く

     
  • PART2 人に好かれる六原則
    • 誠実な関心を寄せる
    • 聞き手にまわる
    • 関心のありかを見抜く

     
  • PART3人を説得する十二原則
    • 思いつかせる
    • 演出を考える
    • 対抗意識を刺激する

     
  • PART4人を変える九原則
    • 自分の過ちを話す
    • 命令をしない
    • 喜んで協力させる
              

木村グローバルマーケティング合同会社 代表/アルダ CMO(元ユニ・チャーム 常務執行役員 グローバルマーケティングコミュニケーション本部長) 木村幸広氏


自分を成長させてくれた書籍:
プロフェッショナルアイデア。欲しいときに欲しい企画を生み出す方法。
小沢正光(著)
 

 私がこれまでのマーケター人生において最も尊敬する人物の一人が、博報堂のクリエィティブディレクターとして多くの広告やブランディングを手がけ、博報堂 常務執行役員などをされていた小沢正光さんです。残念ながら2016年にお亡くなりになりましたが、私のマーケターとしての考え方に大きな影響を与えた人です。

 私が前職のユニチャームに勤めているとき、マーケティングアシスタントだった時代から、小沢さんにはさまざまなことを教えてもらいました。インドに駐在していたときに、悩んでいる私のためにわざわざ現地まで来て、B4一枚に手書きで復活の戦略シナリオを書いてもらったことなどもあります。そんな小沢さんが、2007年に書かれた書籍が「プロフェッショナルアイデア。欲しいときに欲しい企画を生み出す方法。」です。

 私が小沢さんと一緒に仕事をしたときに、非常に印象的だった出来事を紹介します。我々に対する広告クリエィティブのプレゼン会議の途中で、小沢さんは我々の意見をじっと目を閉じて聞いていました。すると、突然「わかった!この案は間違っています。作り直してきます。みんな帰ろう!」と言いました。我々はもちろんのこと、最も驚いたのは小沢さんが率いるチームのメンバーで、その日は、そのまま本当に帰りました。次のプレゼンでは、今までとは異なる最高の広告クリエィティブを持ってきました。クリエィティブに秀でた人でも、なかなか自分の考えを壊すことはできません。しかし、小沢さんは自分とメンバーの考えを完全に壊し、次のステップにジャンプできる人だと強く感じました。

 最後に、この書籍で紹介されている、小沢さんの考え方を象徴する名言を3つ、書籍から引用して紹介します。
    
 【得意先に通らないアイデアは市場にも通らない】 クライアントはビジネスパートナーであるがアイデアを一番最初に見せる第三者である。その反応が悪いということはアイデアが受け入れられても、市場には通らない可能性が高い。『クライアントに見る目が、、』などとぼやく前にアイデアが優れていると思ったのは、単なる自分たちの思い込みでなかったのかと反省しなくてはならない。
  
【アイデアは壊さなければ優れたものが生まれない】 チーム全体の気持ちを切り替えるためにはリーダー自身の気持ちの入れ替えが必要だ。(ダメだった時にリーダーが)いつまでも意気消沈していては立て直せるものも立て直せなくなる。だがリーダーには誰も声をかけてくれない。自分で切り替えるしかない。
    
【しばり?上等だ。ほかの奴らにはできないかもしれないが俺たちは違う。最高のアイデアを出してやる】 仕事でアイデアを考えるとき、なんでも自由に考えてかまわないとされることはほとんどない。制約が多いとさすがに考えようという気持ちが萎えたりもする。条件が厳しい、制約が多いということはそれだけ難題なのである。言い換えれば誰にもできない仕事をやろうとしているということだ。」
    
「プロフェッショナルアイデア。欲しいときに欲しい企画を生み出す方法。」小沢正光(著)

※記事内で紹介した書籍をリンク先で購入すると、売上の一部がアジェンダノートに還元されます。

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