RYUKYU note #14後編
沖縄独自のコンテンツで売上20%UP、デジタルサイネージや店舗開発でも徹底した「地域ド密着」を実践する沖縄ファミリーマート
沖縄県は土地柄や歴史的背景に本土と大きな違いがあることから、ビジネスの進め方も従来の方法では、うまくいかないケースがあります。連載「RYUKYU note」では沖縄で活躍する経営者やマーケターをバトンリレー形式でインタビューし、そのサクセスストーリーの裏側にある秘話や、沖縄ならではの戦略や課題、未来に繋がるストーリーをひも解いていきます。
第14回は、沖縄ファミリーマート 経営企画室 室長(兼)広報・マーケティング室 室長の岸本国也氏が登場。前編では、沖縄ファミリーマートについて、「地域ド密着」を掲げたマーケティング施策の狙いと、競争環境が激化しているコンビニ業界について紹介しました。後編では、沖縄ファミリーマートも注目しているというリテールメディアのデジタルサイネージや沖縄県民に支持され続けている理由、2023年の展望について聞きました。
第14回は、沖縄ファミリーマート 経営企画室 室長(兼)広報・マーケティング室 室長の岸本国也氏が登場。前編では、沖縄ファミリーマートについて、「地域ド密着」を掲げたマーケティング施策の狙いと、競争環境が激化しているコンビニ業界について紹介しました。後編では、沖縄ファミリーマートも注目しているというリテールメディアのデジタルサイネージや沖縄県民に支持され続けている理由、2023年の展望について聞きました。
デジタルサイネージでも沖縄の独自コンテンツを配信
――現在、コンビニもメディアの一部としてデジタルサイネージを活用したマーケティング手法が増えています。その中でいち早く、(株)ファミリーマート(以下、ファミリーマート)ではデジタルサイネージの導入に取り組んでいたと思います。その狙いと効果はいかがでしょうか?
ファミリーマートのご協力もあり、現在デジタルサイネージを導入している沖縄ファミリーマートの店舗は150店舗あり、2023年の6月までにあと80~90店舗に導入が完了する予定です。
当然、サイネージの目的のひとつは店舗自体の媒体化です。店舗に来店したお客さまが、サイネージを見ることでお得な情報を得ることができるので、ファミリーマートに来店する理由につながると思います。昨今のテレビ離れなど、消費者の生活環境も大きく変化しているので、店舗自体を媒体化していく必要があると思います。
岸本 国也 氏
――今まで買うだけの場所だった店舗が、メディアとしての役割を果たすのは強みになりますね。
はい、そう思います。特にコンビニは、他の業界にはない店舗の多さだと思います。そこで情報が発信されることで非常に多くの人に見てもらえますし、ファミリーマートに来たら何か楽しい発見があるなど、そういった存在になれればサイネージ自体の意味もあると思います。
それから現在、(株)ゲート・ワン様(サイネージ運営会社)のご協力のもと、沖縄ファミリーマートでは少しずつ沖縄独自の映像コンテンツも流しているんです。我々は沖縄市をホームタウンとするプロバスケットボールチームの「琉球ゴールデンキングス」の協賛をしており、毎年コラボレーションしています。共同で開発した商品を販売したり、そのCMを制作したりしているのですが、その映像をデジタルサイネージの店内放送用に少し加工して流しています。
このコラボ商品もサイネージで映像を流した店舗の方が、流していない店舗よりも20%程度売上がよかったので、シンプルに効果があると我々は感じました。そういう意味でも非常に期待していますし、デジタルサイネージでも沖縄独自の映像や情報をたくさん発信することができたらと思っています。
あと、これは将来実現すると思いますが、たとえば市町村単位で発信できる情報を細分化できたらより効果的なメディアになると思います。沖縄でひと括りにするのではなく、那覇市在住の人などと、特定して情報を届けることができるようになると、情報を仕入れるためにファミマへ行こうみたいなことが起き、集客にも繋がってくると思います。