TOP PLAYER INTERVIEW #47

「仕事・バイト探しはIndeed♪」を封印した背景は? Indeedが6年ぶりにブランドコミュニケーションを全面刷新【マーケティング本部 シニアディレクター 田尻祥一氏】

 

バランスの取れた統合型のマーケティングへ


――これまではテレビCMを中心にコミュニケーションを展開してきた印象ですが、今後の展開についてはどのように考えていますか。

 テレビCM中心から、よりバランスの取れた統合型のマーケティングにシフトします。この統合型のマーケティングとは、テレビCMのクリエイティブをSNSなどの他メディアでも展開することではなく、コンセプトへの理解を上澄みから深層まで落とし込んでいくことを意味しています。

 これまではリーチの最大化をゴールに設定し 、認知に予算をかけていました。しかし、今後は「いい未来」とは何か、自分らしい生き方や働き方が探せるとはどのようなことなのかなど、ブランドコンセプトを具体的に示し、ブランドやサービスの価値に対する理解を深めてもらえる施策も 行います。

 そのひとつとして、「いい未来」を体験するキャンペーンを実施しました 。たとえば、ワーケーションです。働き方の志向のひとつとして、オフィスだけでなくいろいろな場所で自由に働いてみたいというニーズがあるので、それを実際に体験できる企画を用意しました 。

 ほかにも、好きなことを仕事にしてみたいという思いに一歩踏み出してもらうきっかけとして、アニメの声優さんと一緒に仕事ができる機会を用意したり、バリバリ働いてキャリアアップを目指していきたいという人に対してモチベーションアップの講座を提供したりと、さまざまな取り組みを行っています。

 そのような取り組みを通して、不確実な時代に自分自身のことを考えて仕事をしながら生きていく環境づくりをしていきたいと考えています。さらにその体験によって、我々が示すブランドコンセプトを理解してもらいたいですね。

――新たにブランドコンセプトを刷新してから3ヵ月が経過しました。現状、どのような変化がありましたでしょうか。

 速報値ベースでは、お客さまの利用意向が上がってきています。また、SNSでは新たなテレビCMなどを見た人が「すごく 背中を押されました」「まさに今、どうしようか悩んでいるときにこういうメッセージをもらい勇気をもらいました」というコメントがいくつも見られ、狙い通りの反応が得られていると感じています。

※後編「「カスタマーファーストに尽きる」 Indeedのマーケティングを統括する田尻祥一氏が語る大切なこと」に続く
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