TOP PLAYER INTERVIEW #50

元DMM.comマーケティング部長の武井慎吾氏が秋葉原で寿司屋を開いた理由

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 DMM.comを3月に退職し、秋葉原に「鮨あきは」という寿司屋をオープンした武井慎吾氏。広告会社や事業会社などを経てDMM.comでデジタルマーケティング部長を務めながら、自身の会社でオンラインやオフライン問わず複数の事業を展開してきた。なぜこのタイミングでDMM.comを退職し、秋葉原に寿司屋をオープンしたのか。その意図や店舗のマーケティング戦略、武井氏の考えるキャリアなどについて詳しく聞いた。
 

秋葉原の「面白さ」と「可能性」を信じて寿司屋を出店


――DMM.comを退職し、秋葉原で寿司屋「鮨あきは」をオープンしました。その経緯から教えてください。
 
武井 慎吾 氏
2010年より事業会社・広告会社の立場でマーケティング活動に従事。前職のDMM.comでは、マーケティング部の部長として、「DMMグループの60近い事業に対し収益貢献をミッションとした支援」、「最大80名の組織マネジメント」に従事。その傍ら、2016年より自身の会社を立ちあげ、企業へのマーケティング支援活動、ならびに自社事業としてオンライン・オフライン問わず様々な事業を行う。今回、2023年7月より秋葉原の地で、「鮨あきは」を創業。

 DMM.comを退職した理由は、一時的に自分の会社に全精力を注ぐためです。新しくオープンした寿司屋も、その会社が手掛ける事業のひとつです。約7年前に私は自分の会社を設立しました。最初はそれまでの自分のスキルを最も発揮しやすく、コスト含めリスクも小さいコンサルティング事業を展開しました。その後、そこで得た収益を自分の事業に投入しようと思い、まずはオンラインでの事業を始めました。メディア事業に始まり、市場規模が膨らんでいるVTuber関連、各種IPビジネス、単品通販ビジネスなどです。

 そして次に挑戦したのがオフライン事業です。パーソナルジムや収録スタジオ、セルフホワイトニング事業など、店舗を借りて人を雇い始めました。その方法もある程度理解してきたので、この1~2年で飲食事業にも参入しています。最初はバーから始めて、今回新たに寿司屋「鮨あきは」をスタートしたという経緯になります。

――さまざまな飲食店がある中でも、なぜ寿司屋をオープンしたのでしょうか。

 理由のひとつは、私が「寿司好き」かつ「大将」との出会いというのもありますが、ただ、それ以上に「秋葉原」というエリアに「意図して飲食店を出店すること」に勝ち筋や面白さを感じました。結果として、寿司屋をオープンさせましたが、ターゲットに合っていれば「焼鳥屋」、「焼肉屋」でも何でも良かったかもしれません。

 秋葉原はオタクや電気街というイメージを持たれていますが、今ではそれも変化し、東京の中でもポテンシャルがある街になっています。

 具体的には、ターミナル駅としても発展していますし、つくばエクスプレスといった郊外からのルートもあります。さらに10年前くらいから大手企業のオフィスが増えてビジネス街としても人が集まる場所になっています。さらに、この3年ほどでは一気に繁華街化が進み、水商売系のお店も増えています。

 また、海外からのインバウンド需要も大きいです。秋葉原はホテルもたくさんあり、浅草や上野、銀座、麻布などへのアクセスもよく、日本の玄関として外国人観光客も使いやすい街です。

 オタクや電気街、オフィス、繁華街、外国人観光客、この4つのカテゴリーの人が集まってきているのが現在の秋葉原なのです。しかし、ビジネスの会食で使える飲食店や外国人観光客が目的にするような飲食店が秋葉原には多くありません。そこに面白みと可能性を感じて、寿司屋を出店しました。オープンして3カ月ほど経ちましたが、おかげさまで予約も順調に埋まっています。
  

――店舗の出店にあたり、立地は非常に重要な要素になります。秋葉原の中でも、この立地は、どのような理由から決められたのでしょうか。

 後述しますが、ターゲットを踏まえ駅近・繁華街のど真ん中よりは、少し離れたところに出店したいと考えておりました。ただし、①条件を絞るとその分物件候補は少なくなる。②そもそも希望エリアには重飲食可能な物件が限りなく少ない。という状況でした。

 ですので、最初はWebサイト上にある公開情報を見て物件を探していましたが、それでは希望の物件に出会えないので、先にバーを開業し、そこからの伝手で表に出てこない情報を入手していきました。その結果、こちらの物件とも出会うことができました。

 前職のDMM.com含めこれまでの経験で、事業を動かす際の最善策を得る為に、時に足を使って動いていましたので、店舗探しにおいてもそのような経験を活かせていると思います。

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