TOP PLAYER INTERVIEW #63
KDDI 「au三太郎」新CM、生成AI活用という挑戦の先に見えた可能性
2015年1月1日からKDDIがスタートしたau三太郎CMシリーズが今年で10年目を迎えた。CM総合研究所が発表する2023年度(2022年11月度から2023年10月度)の「CM好感度No.1ブランド」に選出(2023年度銘柄別CM好感度ランキング/BRAND OF THE YEAR 2023)され、史上初となる9年連続CM好感度No.1となった。そして2024年の年始には、新たな挑戦として生成AIを使ったCMを放映し、それと連動したUGC施策としてユーザーが今年やりたいことを入力すると、生成AIがそれぞれのMV(ミュージックビデオ)を生み出す「さぁ、何やる?メーカー」をリリースして話題となった。
新たなチャレンジの背景にはどのような想いがあったのか。幅広い世代から愛されるauのブランディングや生成AI活用について、KDDI ブランド・コミュニケーション本部 コミュニケーションデザイン部 部長の合澤智子氏と、IMC推進室 室長の山中雅貴氏に詳しく聞いた。
TVCM|au「さぁ、何やる?」篇
新たなチャレンジの背景にはどのような想いがあったのか。幅広い世代から愛されるauのブランディングや生成AI活用について、KDDI ブランド・コミュニケーション本部 コミュニケーションデザイン部 部長の合澤智子氏と、IMC推進室 室長の山中雅貴氏に詳しく聞いた。
TVCM|au「さぁ、何やる?」篇
生成AIを活用しau三太郎シリーズの新CMを制作
―― 生成AIを活用した年始の新CM「さぁ、何やる?」篇を2024年1月1日から全国で3日間放映しました。生成AIの活用に挑戦した背景と狙いを教えてください。
合澤 au三太郎シリーズを始めて以来、毎年1月1日から新しいコミュニケーションを発信しています。これまで9年連続でCM好感度No.1を獲得してきましたが、2024年は10年目という節目であり、さらに新しいチャレンジをしたいと考えました。
KDDIにとっても、2024年は5Gを核とした注力領域の事業成長を目指す当社の中期経営計画「サテライトグロース戦略」が飛躍する年でもあります。ブランドスローガンに掲げている「おもしろいほうの未来へ。」の実現に向けて、生成AIを使って今までできなかったチャレンジをしてみることになりました。今年のテーマである「さあ、何やる?」のとおり、まずは踏み出すことの重要性を強調したいと考えたのです。
KDDI ブランド・コミュニケーション本部 コミュニケーションデザイン部 部長
合澤 智子 氏
1999年、KDDI入社。プロダクト企画部、社長補佐、メディア・クリエイティブ企画室長などを経て、22年4月より現職。コミュニケーションデザイン部を統括し、現在に至る。
合澤 智子 氏
1999年、KDDI入社。プロダクト企画部、社長補佐、メディア・クリエイティブ企画室長などを経て、22年4月より現職。コミュニケーションデザイン部を統括し、現在に至る。
au三太郎シリーズは、毎年その時期に合ったおもしろさを追求しています。2024年は「AI元年」と言われていたため、生成AIを使ったコミュニケーションに挑戦することで、いまの時代にふさわしい「おもしろさ」を提供できると思いました。auのコミュニケーションを通して生成AIを体験いただき、まずはそれを身近に感じてもらうことで、おもしろいと思っていただくことを目指しました。
山中 au三太郎シリーズは10年間積み重ねてきたものがあるので、毎年1月1日のCMに期待してくださっているお客さまも多くいらっしゃいます。生成AIを使うことで当社の先進性をアピールして終わるのではなく、その先でお客さまにどのような驚きを与えられるかを考えていました。
KDDI ブランド・コミュニケーション本部 コミュニケーションデザイン部 IMC推進室 室長
山中 雅貴 氏
ブランドマネジメント、販売促進等の業務を経て、コミュニケーション戦略立案やPR企画、データ分析等の統合マーケティングコミュニケーションの現業務に従事。
山中 雅貴 氏
ブランドマネジメント、販売促進等の業務を経て、コミュニケーション戦略立案やPR企画、データ分析等の統合マーケティングコミュニケーションの現業務に従事。
合澤 たしかに、お客さまファーストという軸はぶれなかったですね。生成AIを活用すること自体をメインテーマにしてしまうと、「今までやっていないことは何か」「どういう技術がすごいのか」という議論になってしまいがちです。そのため当社では、年始のコミュニケーションをお客さまに楽しんでもらうために生成AIをどう使うのが最適かという議論にフォーカスしました。