【読書の秋】トップマーケターが本気で推したい1冊 #02

【読書の秋】シンクロ 西井敏恭氏、はなまる 髙口裕之氏

前回の記事:
【読書の秋】クー・マーケティング・カンパニー 音部大輔氏が本気で推したい1冊
 近年は「長すぎる夏」とはいえ、それでも夜は涼やかな虫の音をBGMに、「読書の秋」を堪能したい季節になってきた。働いていると本を読めないという実感をそのままタイトルにした新書も話題になった昨今、それでも成長し続けたいマーケターの一助になればと、トップマーケターたちの「本気で推したい1冊」をご紹介する。バラエティー豊かな選書から、ぜひ気になる本を見つけ、ビジネスの成功につながる新たな視点とアイデアに触れてほしい。
 

シンクロ 代表取締役社長 西井敏恭氏


本気で推したい1冊:DATA is BOSS収益が上がり続けるデータドリブン経営入門
榊󠄀淳(著)、翔泳社
 

 一休 代表取締役社長の榊氏のお話は、過去にセミナーで聞いたりしてわかっているつもりでしたが、この書籍を読んで改めて自分の理解が甘かったことがわかりました。私も今までECを中心にキャリアを積んできたのでデータを非常に重要視していますし、日々データを見ていたつもりでしたが、この書籍に書いてある内容と比べると1、2階層浅い分析だったことがわかりました。

 書籍の内容にもありますが、データというと顧客とは遠い、下手すると反対側にあるものをイメージされますが、実際に榊氏が行っていることは「データと徹底的に向き合って、お客さまそのものを見ること」だということがわかります。

 今すぐできるTIPSも紹介されていますが、この書籍から学ぶことは、日本の経営はまだまだデータドリブンでできている企業が少なく、そして経営者はもっとデータに向き合うべきだということです。さらに、データを取り扱いできない人は、経営者としては不適切な時代である、ということを示唆してくれています。

 私自身、複数の会社を経営する中で、レイヤーが上がるほど自分自身が直接データを見るのではなく、チームの担当者にデータを出してもらうことが多くなり、そこで止まってしまっていたことを大いに反省させられました。

 今から10年、経営者として生きていくために、自分がまだまだ成長しなければいけない分野、スキルを学べた素晴らしい書籍です。
 

はなまる マーケティング本部CMO 兼 タネトシカケ 代表取締役 髙口裕之氏


本気で推したい1冊: サンクチュアリ全12巻
史村翔(原作)・池上遼一(作画)、小学館

 

 古い作品ですが「サンクチュアリ」という漫画を紹介します。

 700万部も売れているので知っている人も多いのではないでしょうか?1990年から青年コミック誌「ビッグコミックスペリオール」に連載されており、ちょうど私が社会人になった時代です。どうしてこの漫画と出会ったのかは覚えていないのですが、30歳頃に初めて読んだように思います。漫画の内容は、幼いころにカンボジアで戦争体験をした2人の子どもが、その苦難の経験から日本へ帰ったあとに、政治を立て直そうとする物語です。1人は政治の世界、もう1人は裏社会に潜り、真逆の2つの世界から最終的に日本をよくするために日々の逆境に切り込んでいきます。

 熱いストーリーなので一気に読んだ記憶があります。特に惹きつけられた点は、「修羅場の経験」「目的/目標を強く、明確に持つ」「挑戦すること」「仲間を大切にする」という4点です。マーケティングという仕事はもちろんのこと、ビジネスパーソンとして何かするにおいても非常に共通する4点が描かれているので、機会があれば手にとってみてください。なお、現在の感覚からは受容されにくい内容や描写が含まれていることも最後にお伝えしておきます。

 ※編集部注※記事内で紹介した書籍をリンク先で購入すると、売上の一部がAgenda noteに還元されることがあります。

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