CATCH THE RISING STAR #26
TikTok100万回再生連発、ホリプロデジタルのZ世代マーケターのテクニックとは?【小島歩友氏】
企業におけるマーケティングの重要性が増す一方、「マーケターの仕事はAIに奪われるのでは」とも囁かれる昨今。そんな変革期に、マーケティング領域で働く若者は何を考え、どう行動しているのか。
Agenda noteでは「Z世代」と一括りにされがちな彼らの中でも、各企業が特に期待を寄せる「ライジングスター」にフォーカス。生まれた時からインターネットに触れ、テクノロジーやSNSを使いこなす彼らの多彩な思考や行動を探ることで、マーケティング領域の近未来を照射していきたい。
第26回に登場するのは、ホリプロデジタルエンターテインメントで、ソリューション事業部 クリエイティブ室に所属する小島歩友氏。同社はフォロワー数1000万人以上を誇るTikTokクリエイター・タレントの景井ひなさんの所属事務所としても知られ、企業のマーケティング支援やSNS支援などを手掛けている。その中で小島氏はTikTokで100万回再生を何度も記録し、入社2年目にして社内で「なくてはならない存在」と評されるエースのひとりだ。SNSを駆使する「ザ・Z世代」マーケターである同氏のSNS運用テクニックや課題、そしてその先に目指すものを聞いた。
Agenda noteでは「Z世代」と一括りにされがちな彼らの中でも、各企業が特に期待を寄せる「ライジングスター」にフォーカス。生まれた時からインターネットに触れ、テクノロジーやSNSを使いこなす彼らの多彩な思考や行動を探ることで、マーケティング領域の近未来を照射していきたい。
第26回に登場するのは、ホリプロデジタルエンターテインメントで、ソリューション事業部 クリエイティブ室に所属する小島歩友氏。同社はフォロワー数1000万人以上を誇るTikTokクリエイター・タレントの景井ひなさんの所属事務所としても知られ、企業のマーケティング支援やSNS支援などを手掛けている。その中で小島氏はTikTokで100万回再生を何度も記録し、入社2年目にして社内で「なくてはならない存在」と評されるエースのひとりだ。SNSを駆使する「ザ・Z世代」マーケターである同氏のSNS運用テクニックや課題、そしてその先に目指すものを聞いた。
始まりは「嵐」
――入社の経緯を教えてください。
大学3年次にインターン生として当社に入り、その後、新卒で正社員になりました。インターンを始めたきっかけは友人からの紹介です。大学の広告研究会というサークルで映像制作に取り組んでいたのですが、動画編集やSNS運用をするインターンがあると聞いて、興味を持ちました。
広告研究会に入ったのは、単純に面白そうだったのと、300人という多くの学生が所属するサークルでいろいろな人に出会いたいと思ったからでした。そこで活動する中で広告やマーケティングにとても興味を持つようになりました。
小島 歩友 氏
ホリプロデジタルエンターテインメント ソリューション事業部 クリエイティブ室
ホリプロデジタルエンターテインメント ソリューション事業部 クリエイティブ室
私は、広告やマーケティングは人の人生を豊かにしたり、人を笑顔にしたりするような営みへの「入口」をつくるために効果的なものだと思っています。私は小さい頃からエンターテインメントが大好きで、たとえば小学校の頃はアイドルグループの「嵐」が好きでした。
嵐が旅行のCMに出演されていて、そこで紹介されていた福岡県に生まれて初めて行ったこともあります。それ以来、福岡県や、旅行そのものも大好きになりました。
また、櫻井翔さんが通信教育のCMに出演されているのを見て「勉強ができるってかっこいいな」と思い、母に頼み込んで申し込みました。それから勉強に打ち込むようになったんです。
「嵐」というエンタメに「CM」という広告・マーケティングを組み合わせることで、私は旅行や勉強の魅力に気付くことができました。広告やマーケティングには、そうした人生を豊かにしてくれるものに出会うきっかけをつくる力があると思っています。
動画編集やSNSは、そのための手段です。就職活動の際に、あらためて自分のやりたいことを見つめ直し、当社であれば動画編集やSNS運用に携わることができ、大好きなエンタメにも関わることができる。また、縦割り的な組織ではなく、ひとつの案件をひとりで責任をもって担当することが多いので、企画や撮影、編集、分析、レポーティング、クライアントとの折衝といった、ひと通りの経験をすべて得ることができ、キャリアの幅も広がると考えました。
さらに、インターンを通して、SNSで見てくれた人の反応が数字やコメントではっきりと目に見えたり、クライアントから感謝の言葉を直接いただけたりすることにやりがいを感じて、入社を決めました。
――これまでにどのようなお仕事を経験しましたか。
インターンでは担当者の補佐という立場で、自治体の公式TikTokの運用やアクセサリーブランドのマーケティング支援など、重要な業務のほとんどの工程に関わらせてもらっていました。自治体の公式TikTokアカウントでは実際に現地まで行き、担当者さんや、撮影に協力いただく農家の方などと直接コミュニケーションをとりながら進める経験ができました。
入社1年目はTBS系の番組『THE神業チャレンジ』や山梨県の公立大学である都留文科大学のTikTok運営などに携わりました。正社員になってからはクライアントとより深く関わるようになり、当然ですが、インターンの頃よりも責任感が増しました。
2年目となった現在は、インターンの頃から携わっているアクセサリーブランドのTikTokやInstagramの運用のほか、舞台のInstagram運用や広告バナーのクリエイティブ制作、インターン生のマネジメントや面接なども担当しています。
――SNSでは反応が数字ではっきり見えるというお話もありましたが、これまでにどのような成果が得られましたか。
TikTokでは、これまでに私が手がけた6本の動画が再生数100万回以上を記録しました。現代の消費者は広告やPRに敏感で、個人インフルエンサーと違い、企業の公式動画には「宣伝しよう」という意図があると受け取られて、あまり見てもらえないことが多いです。企業アカウントの動画は1万回再生に達するだけでもすごいと言われる世界で、100万回再生は珍しいと思います。
アクセサリーブランドのTikTokでは、アクセサリーを紹介することを目的にいろいろな形の動画を出しているのですが、再生数が120万回を超えた動画もあります。内容は「絶対に崩れないヘアクリップの付け方」を紹介するものです。商品であるヘアクリップそのものというよりも、ヘアアレンジやファッション、美容など、多くの人が「自分ごと」として関心を持っているテーマから入って、最終的にアクセサリーに落とし込むことで、視聴者の間口を広げています。