TOP PLAYER INTERVIEW #88
グリコが「健康」に全力投球、創業からの思いを伝える新プロジェクトで次のステージへ【江崎グリコ 三木依子氏】
江崎グリコは、自社のパーパス(存在意義)である「すこやかな毎⽇、ゆたかな⼈⽣」を基盤に、生活者の健康的な生活習慣づくりをサポートするプロジェクトとして新たに「GOOD LIFE CIRCLE」を始動。その第1弾として、2024年11月30日から12月8日まで、⽣活者の「⽇々のストレスや疲労を解消したい」という想いに寄り添う体験イベント「グリコ コンディショニングスタジオ」を東京・虎ノ門ヒルズで開催した。
「ビスコ」や「ポッキー」など長年にわたり愛され続ける商品ブランドを展開する食品メーカーの江崎グリコが、なぜ「健康な生活習慣づくり」にフォーカスしたプロジェクトを立ち上げたのか。その背景や狙い、成果について創業時のエピソードを交えながら、同社 社長室 コーポレートブランディング グループ長の三木依子氏が語った。
「ビスコ」や「ポッキー」など長年にわたり愛され続ける商品ブランドを展開する食品メーカーの江崎グリコが、なぜ「健康な生活習慣づくり」にフォーカスしたプロジェクトを立ち上げたのか。その背景や狙い、成果について創業時のエピソードを交えながら、同社 社長室 コーポレートブランディング グループ長の三木依子氏が語った。
グリコが提供する「健康」という価値
―― 健康に焦点を当てた新たなプロジェクト「GOOD LIFE CIRCLE」を展開された背景を教えてください。
私たちの社名である「グリコ」という名前はエネルギーの素となる「グリコーゲン」から取ったものです。創業者である江崎利一が1919年にカキの煮汁に含まれているグリコーゲンを見つけ、そこから江崎グリコの歴史が始まりました。実は江崎グリコはもともと薬種業、今で言う薬局店を営んでいたため、グリコーゲンを薬に活用するという方向性もありましたが、創業者はあえてお菓子を選びました。
病気の治療よりも、予防が第一であるとの想いから、当時人気のあったキャラメルにグリコーゲンを練り込むことで「国民の体位向上」を目指そうと考えたのです。創業時から変わることなく、「食品を通じて国民の体位向上に貢献したい」という思いは、今も受け継がれています。

江崎グリコ社長室 コーポレートブランディング グループ長
三木 依子 氏
外資系消費財メーカーで商品開発と10ブランドのブランドPR・広報に携わった後、耐久財や製薬メーカー等複数社で主にコーポレートブランドプロモーションやコーポレートコミュニケーションの領域を担当。国内での強いブランドを基盤に、海外での事業拡大と組織のグローバル化を進める内資企業の、国内外におけるブランド価値向上に携わってきた。2024年10月から現職。
三木 依子 氏
外資系消費財メーカーで商品開発と10ブランドのブランドPR・広報に携わった後、耐久財や製薬メーカー等複数社で主にコーポレートブランドプロモーションやコーポレートコミュニケーションの領域を担当。国内での強いブランドを基盤に、海外での事業拡大と組織のグローバル化を進める内資企業の、国内外におけるブランド価値向上に携わってきた。2024年10月から現職。
現在当社では、「すこやかな毎日、ゆたかな人生」という企業の存在意義(パーパス)を設定し、健康的な毎日を積み重ねる先にゆたかな人生があり、そこに私たちは貢献していくということを宣言しています。
もちろんこれまでも、「SUNAO」や「BifiX(ビフィックス)ヨーグルト」など、適性糖質や腸内環境改善を目指すような健康につながるブランドを展開してきました。しかし、江崎グリコが健康という価値を提供する企業でもあることが十分伝わっていないという課題がありました。
では、それを生活者に伝えるにはどうしたらいいか。江崎グリコは、医薬品などではなく食品を通じたソリューションを提供する会社なので、日常の中にある食品に健康の思想を込めてお届けし、毎日がすこやかになったと感じてもらう。その実感によって継続することができ、結果として、よりゆたかな人生が送れるというストーリーをうまく発信していこうと考えました。
江崎グリコは健康の実現に向けた基礎研究や商品開発に力を入れているので、データや科学的根拠に基づいた価値のある商品をお届けできる自信があります。そこで、まずはお客様に今の体の健康状態についての気づきを与え、それに対するソリューションを江崎グリコが提供する。そしてソリューションによる健康状態の変化を実感してもらうことで習慣化が促進されるという一連の循環体験、すなわち「GOOD LIFE CIRCLE」を展開し、江崎グリコの創業から続く想いを伝えることにしました。