日本の広告最新事例を世界の潮流から読み解く #61
最先端のドローンショーで魅せるオロナミンC「元気ハツラツ!大空大合唱」篇 老舗ブランドが最先端テクノロジーを活用する意義
私は長年、多くの広告コミュニケーションの海外事例を紹介、その分析に努めているのですが、この連載では、いつもとはある意味では逆に、まず日本の話題作に目を向けて解説し、そのうえで、その意図や施策の在り方が、海外のどんな潮流と関連しているのかについて考えて行こうと思います。今回は、その第61回です。
「元気ハツラツ!」も60周年、最先端のテクノロジーでアップデートを
さて、大阪・関西万博が閉幕したのが、ついこの間の10月13日。そこの人気コンテンツのひとつが、毎日閉園前に大空を彩る「ドローンショー」でした。僕自身、5月に訪問してそのドローンショーを鑑賞したのですが、なかなかの出来栄えに驚いたことをよく覚えています。テクノロジーとして最先端であることが伺われ、エンターテインメントとしても充分に楽しめるものでした。
で、先日テレビを見ていたら、そのレベルのドローンショーを扱ったテレビCMが目に入って来て、「おやっ!何のCMだ?」と目を凝らしてみたら、あの老舗ブランド「オロナミンC」のものだったのです。
僕がたまたま目にしたのは、たぶん15秒CM。大勢の、文字通りの老若男女が空を見上げていて、聞き覚えのある『愛は勝つ』(by KAN)を大合唱しているシーンから始まります。
みんなが見上げている先の夜空ではドローンショーが行われていて、「信じることさ」といった歌の一節が五線譜上に書かれており、音符の代わりになっているのは、なにやら飲み物のようです。歌う人々の表情が捉えられながらカメラが夜空に戻ると、先ほどの「飲み物と歌詞の五線譜」が少し斜めから、より立体的に見えてきます。
そこにかぶさってくるのは、「あなたと大切な人が、これからも元気でいられますように。」というナレーションと、「日本の元気をみつめて60年。」という文字で、そこに参加者みんなでの「元気ハツラツ!」の声が響き渡ります。
最後には夜空に、ドローンによる商品パッケージと「元気ハツラツ!」の文字が浮かび上がり、「オロナミンC 60th」の文字で締めくくられます。
このテレビCMは、全国3地域の花火大会会場で開催された約1,300機のドローンによる大空ショーであり、『愛は勝つ』を大合唱し「元気ハツラツ!」と声を上げているのも、みんな一般の来場者のようです。
このドローンショーを担当した「レッドクリフ」は、大阪・関西万博のドローンショーも手掛けた会社で、どうりで僕の目も強力に惹きつけたわけです。
こうした新しいテクノロジーを取り入れる努力があるからこそ、オロナミンCは、60年の長きに渡ってメジャーなドリンクであり続けていられるのだな、と妙に感心してしまいました。
オロナミンC「元気ハツラツ!大空大合唱」篇 FULL




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