伊東塾 #01

「ビジネス目標とマーケティング目標の違いを知っていますか」元・P&G伊東正明氏

デジタルの世界でも同じことが言える

 デジタルの世界でも同様です。「私はデジタル担当だから、デジタル上の指標を達成しよう」と最初の目標設定の段階で間違えがちです。

 例えば、FacebookやTwitterなど、専属の担当者を抱えている企業も多いでしょう。しかし、その担当者の人的コストと広告費を考えたら、毎日最低でも6万人近いトライアルを発生させないと、採算が合わないというケースがあるかもしれません。

 そのとき、「投稿へのリツイート数が1000を超えた」と担当者が喜んでいたとしても、果たして、その数字はすごいのでしょうか。

 1リツイートが平均100インプレッションだとしたら、1000リツイートで10万インプレッション。採算ラインが6万人のトライアルであれば、この投稿に接触した60%が商品を購入したいと思わなければいけません。それが実現できる投稿内容になっているのか検証が必要です。

 決してSNSを使うな、と言っているわけではありません。1カ月単位でもいいので数字で計算して、それがビジネス目標につながる道なのか、確信を持って取り組めているかが重要なのです。

 アイディアやツールの話もいいですが、まずは、自分が関わるあらゆるビジネスを数値に置き換えて常にプランニングできているか、振り返ってみてはいかがでしょうか。
 

元P&G 伊東正明氏による「伊東塾」開催決定
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