ビジネスにイノベーションを起こす「思考法」 #52

売上高370億円、経常利益23億円。バリュエンスは街の中古買取店から、どう急成長したのか

 

戦力外だと思われないよう、成長し続ける


田岡 Jリーグでの経験や挫折から、今に役立っていると感じる点はありますか。

嵜本
 現状に満足せず、いい意味で危機感を持って経営できているのは、21歳で戦力外通告を受けたことが影響していると思います。

いま私自身がクビになる可能性は低いですが、世の中や一緒に働く社員から戦力外だと思われてしまうことはありますよね。それに自分自身がどれだけ成長できるかが会社の成長のカギだと思っているため、過去と同じ過ちを繰り返さないためにも、現状におごらず、もっと高みを目指したいと思っています。

田岡 嵜本さんご自身が成長するために取り組んでいることはありますか。



嵜本 やはり現状にしがみつかず、チャレンジすることです。私自身が一番、5年後、10年後を見ていないといけないし、魅力的でないといけないと思っているので、多くの魅力的な人と会ったり、他業界からヒントを得たりしています。あとは、意識的に自ら体験し良いと思ったことを積極的に取り入れるようにしています。

田岡 5年後や10年後など、先のビジョンを掲げて組織を動かしていくのはすごく大変だと思うのですが、何か工夫をされているのですか。

嵜本 役割が違えば、見えている景色が違うのは当たり前。なので、私が見ている景色を共有できるように、戦略の理由やなぜ勝算があるのかをしっかりと説明し、向かうベクトルを合わせています。

田岡 具体的には、定期的に社員と話す場を用意したりでしょうか。

嵜本 そうですね。本部長や部長クラスのコアメンバーとは、毎週1on1で話すようにしています。自分の言葉でしっかりと伝えることで、より意識を共有できるんです。あとは、やはり私がチャレンジしている姿を見せることで、社員の意識を変えられると思っています。

※後編「リユース業界の革命児。バリュエンス 嵜本社長が挑む世界攻略と、個人資産の見える化」に続く
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