マーケターズ・ロード 紺野俊介 #04

社長に直談判して取締役に就任、博報堂DYメディアパートナーズとの提携へ【前・アイレップ社長 紺野俊介】

博報堂DYメディアパートナーズとの提携へ

 取締役に就任したのち、実行すべきことを2つ決めました。

 ひとつは、引き続きメソッドやノウハウの仕組み化・システム化をより一層、推進すること。そのために、エンジニア採用の強化、媒体社のAPI活用などを、旗振り役となって進めました。

 もうひとつは、営業パートナーの開拓です。さらなる成長を目指していくなか、単に人数を増やすだけでは、会社全体が営業中心に傾倒していくことを避けられません。であれば、インターネット広告・リスティング広告といった事業領域の強化を目指している、パートナー企業を見つけようと考えたのです。

 最終的に選択肢として絞られたのは、大手総合商社と大手総合広告会社。各社との話し合いを経て、縁があったのが博報堂DYメディアパートナーズでした。

 当時、同社でリスティング広告を担当していた岸本顕吾さんは、EDSジャパン時代の先輩でした。私がアイレップに転職した2003年8月に一度、共通の知り合いを介してお会いしたことがあり、その時に「いつか一緒に仕事をさせてください」と言ったことを覚えていてくださって、それが本当に実現したことが嬉しかったのを覚えています。



 そうして2006年、博報堂DYメディアパートナーズから資本出資を受け、同時に協業案件を担う専門チームを発足しました。私は、インターネット広告事業部長として部門をマネジメントする傍ら、大手クライアントのコンサルティングを担当し、さらに新たな制度設計を担当しました。

 当時は、博報堂DYメディアパートナーズとアイレップの文化の違いを踏まえつつ、今後の拡大が見込まれたブランディング系/キャンペーン系クライアントに対応するための体制づくりが急務だったのです。

 幸いにして、リスティング広告市場は急成長期。アカウント数が一気に増え、売上規模は大幅に拡大し、博報堂DYメディアパートナーズからの出資も奏功して、2006年に大阪証券取引所ヘラクレス(現 東京証券取引所JASDAQ)から承認が下りて、上場に至りました。
続きの記事:
私のインターネット広告業界の2人のボス(高山雅行、矢嶋弘毅)について【前・アイレップ社長 紺野俊介】
他の連載記事:
マーケターズ・ロード 紺野俊介 の記事一覧
  • 前のページ
  • 1
  • 2

マーケターに役立つ最新情報をお知らせ

メールメールマガジン登録