マーケターズ・ロード 紺野俊介 #05

私のインターネット広告業界の2人のボス(高山雅行、矢嶋弘毅)について【前・アイレップ社長 紺野俊介】

矢嶋弘毅さんから教わった目線の高さ

 もうひとりのボスは、現在、博報堂DYメディアパートナーズ代表取締役社長を務める矢嶋弘毅さんです。高山さんとはまた違う、「目線を大きく上げていくこと」を指し示してくれた方です。経営者としての経験、そして総合広告会社で積んできた経験をもとに、高い視座の持ち方を教えてもらいました。

 私は、会社としての成長・存続に責任を持つ上場企業の経営者という立場でありながら、やはり「顧客の成果実現と、ユーザーへの価値提供」に重きを置いていました。

 成長期のマーケットでは、顧客の成果実現を行っていれば、売上規模は自ずと上がっていくはずで、顧客からの信用・信頼のバロメーターと売上・利益は一致するはずと考えていたのです。ですから、現場メンバーには売上と利益を決して追わせず、顧客とのコミュニケーションを含む運用プロセスを重視させるというポリシーを持っていました。



 とはいえ、利益の上がらない経営は評価されません。ステークホルダーから評価されなければ、上場企業の経営者として職務執行ができなくなります。また利益を上げていかなれば、システム投資や人材採用という、会社の成長を加速するためのエンジンも用意できなくなります。

 利益を高めるための仕組みを経営に組み込むことは、アイレップが目指していることと相反するものではないということを、矢嶋さんから指導してもらいました。

 そのお陰で、ステークホルダーやパートナーとの関係を強固にしていくことが、結果としてアイレップが目指す「ユーザーへの価値提供、顧客の成果実現」を果たすことに大きく寄与するのだと理解できるようになりました。

<最終回・「アイレップが成長できた背景には『文化』の形成があった」は6月29日公開>
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最終回・アイレップが成長できた背景には「文化」の形成があった【前・アイレップ社長 紺野俊介】
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