「マーケティング」という大海を、航海するための羅針盤 #06

DeNA 今西陽介流、コミュニティマーケティングを成功に導く十カ条

前回の記事:
マーケティングにコミュニティが必要なワケ
 

コロナ禍になってから、半年以上が経過・・・


 「新しい生活様式」が浸透し、オフライン中心だったコミュニケーションに、オンラインが組み合わさりました。人はオンラインでコミュニケーションを重ねれば重ねるほど、直接オフラインで会いたくなるものです。これは、画面越しから得られる情報が制限されるため、実際に会うことでどういう人なのか、さらに知りたいと思うためです。

 やはり視覚、聴覚、嗅覚、触覚など、五感から得られる情報は重要です。オフラインで会うことで、人はより相手を好きになったり、ファンになったりします。現在、人との接触がある程度、制限されている中、企業はどのようにファンとのコミュニティマーケティングを展開できるのでしょうか。

 前回の記事では、コミュニティをつくりファンになってもらう活動が、なぜ大切かという「意義レベル」で解説しました。今回は、企業に属しているマーケター向けに何から着手すべきで、どのように関係者を巻き込むべきか、考えます。
 

「コミュニティマーケティング十箇条」とは


 よく、こういう相談を受けます。

 「コミュニティマーケティングを始めるとき、どのように社内の関係者と調整していますか?」
 「予算を取るために、KPIとROIの関係性をどのように立証していますか?」

 多くの場合、コミュニティマーケティングを実行しようと思うとき、最初に立ちはだかる難関は社内調整になります。なぜなら、その有用性は非常に高いものの、まだ一般的には広く認められていないためです。

 では、どうすれば、上手く社内で理解が得られるのでしょうか。そのために実行する内容・順番は、次の10箇条になります。
 
「コミュニティマーケティング十箇条」

一. お客さまが求めていること(現在・未来)は、何か?
二. プロジェクトのゴール、ビジョンは何か?
三. どういうお客さまをターゲットにしているのか?
四. 提供できる、自社のPOD(Point Of Difference)は何か?
五. 目標を達成する上で、バリアになることは何か?
六. 目指すべきKPIは何か?
七. 施策を実行する上での役割、体制、予算はどうするか?
八. 施策の良し悪し(悪い場合の撤退)判断軸はどうするか?
九. 立ち上げ時に、あなたのファンはいますか?
十. とりあえず、難しく考えずに楽しくやってみる。

 プロジェクトリーダーは、「コミュニティマーケティングは、なぜ行う必要があるのか?」と聞かれた時に、これら全てに即答できなければなりません。

 冒頭で紹介した「KPIとROI」の質問は、10箇条の中で6番目まで登場しません。大切なのは、数字をこねくり回すことではなく、「お客さまの求めていることを正確に理解すること」、これが全てです。

 お客さまの求めることを実現するための、HOWのひとつがコミュニティです。もしかしたら、お客さまが求めることによっては、コミュニティマーケティングは有効ではないかもしれません。

 つまり、最初にするべきことは3C分析(市場・customer、競合・competitor、自社・company)を丁寧にして、お客さまの求めることを理解し、何をプロジェクトとして成し遂げたいかを語れるようにすることです。

 「他社が似たようなコミュニティをつくっているから」と、表面的なHOWだけを真似しても、高い確率で失敗の道を辿ります。消費者がすでに満たされている現代では、お客さまが求めてないものを企業が自己満足で提供し続けても、支持を集めず、撤退せざるを得ないためです

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