人生100年時代により変わるビジネス人生の設計 #02
起業家しか生き残れない時代へ。情報革命により変わる企業と個人【デジタルシフトウェーブ 鈴木康弘】
人類は3つ目の革命「情報革命」の最中にいる
前回では「人生100年時代」はもはや当たり前の時代になり、個人の人生設計は大きく変ってくるという話をさせていただきました。これから我々はどう生きていけば良いのかをお話する前に、もう一つ我々に大きな影響を及ぼす社会の変化「情報革命」についてお話をしていきたいと思います。
人類は、今まで2つの革命を経験してきました。1つ目の革命は、紀元前に起こった「農業革命」で、人類は安定的に「食」を得ることが可能になりました。
そして2つ目の革命は18世紀に起こった「産業革命」であり、この革命により人類は「動」を得て、大量生産の実現を可能にしました。そして現在、人類は3つ目の革命である「情報革命」の最中にいます。
情報革命により人類は、世界中の個人間で繋がり「知」を得ることができるようになります。世界中の企業が、等しくこの革命の中にあり、訪れるであろうデジタル情報社会の勝者となるべく、「デジタルシフト(デジタルトランスファー)」に取り組んでいます。
農業革命のとき、この流れに乗れなかった部族は衰退し、産業革命のときに流れに乗れなかった企業は衰退したように、情報革命の最中の現在、この波に乗れない企業は衰退していくでしょう。
そして、このデジタルシフトの波は、個人への影響も大きなものになるでしょう。
「人生100年時代」の新しい人生設計を考える上でも、情報革命についてはしっかりと意識していく必要があります。
阪神・淡路大震災、孫正義氏との出会い
私自身も「情報革命」に影響を受けた人生を送っています。私が、このデジタルシフトを意識し始めたのは、1995年のことです。当時は、富士通のシンガポール支社で働いていたときのことです。現地の同僚から「日本が地震で大変なことになってる」と教えてくれました。私は、すぐにテレビをつけると、そこには酷い光景が映し出されました。海外ですのであまり詳しくは報道されません。すぐに日本に電話をしましたが、全くつながりません。
電話回線がパンク状態だったのです。そのとき、ちょうどオフィスに導入されたばかりのインターネットにアクセスをしました。阪神淡路で地震があったことを知り、刻々と変わる状況を知ることができました。自分の欲しい情報が、欲しいときに、異国の地でも得られることを実感した瞬間です。
その後、知人の紹介で孫正義さんとお会いする機会があり、インターネットの可能性を熱くお聞かせいただき、その可能性に感銘を受け1996年にソフトバンクに転職しました。Yahoo! Japanが立ち上がり、サービスを開始した頃です。
そこからは皆さんもご存知の様に、急速に日本でもインターネットが普及しました。私は、ソフトバンク入社後、営業を経て、新規事業の担当としていくつものネット企業を立上げ、自らもネット書店のイー・ショッピング・ブックス(現セブンネットショッピング)を立ち上げました。その後は、会社ごとセブン&アイ ホールディングのグループ入りし、オムニチャネルの立上げを行い、現在では、デジタルシフトウェーブというコンサル会社を立ち上げました。
まさに、デジタルシフトの波に乗ってきた半生だったと思います。しかし、その私がいま感じることは、現在はデジタルシフトの序章であり、情報革命の入り口に過ぎないということです。