マーケターズ・ロード 鈴木康弘 #05

セブン&アイ オムニチャネル戦略発表から退任までの1000日間と、独立【鈴木康弘】

経験をフルに活かしたコンサルタントに

 報道でご存知の方も多いかと思いますが、2016年5月にトップが交代したことをきっかけに、僕は手掛けていた仕事を終わらせ、2016年12月末にセブン&アイを去りました。

 そして約3カ月後の2017年3月、デジタルシフトを目指す企業を、業種業態や規模を問わず支援する、デジタルシフトウェーブを立ち上げました。

 現在、サポートしている企業は、20社弱あります。最初に手掛けたのは、スカパーのコールセンターを担う関連会社のスカパー・カスタマーリレーションズでした。デジタルシフトの本質を社長にご理解いただき、推進体制の構築から、複数のシステムベンダーをコントロールするプロジェクトマネージメントをサポートさせていただいています。



 企業のデジタルシフトを支援することに加え、SIerの教育にも取り組んでいます。と言うのも、昨今のSIerの多くが「要件定義ができない」という課題を抱えているのです。

 かつては「POSシステムでマーケティング管理をしたい」「経理の仕組みをこういうふうに変えたい」といった顧客企業側の要求がまずあって、それを基に要件定義を行い、システムを提案・構築するのがSIerの仕事でした。しかし今は、「AIやIoTを使って何かやれないか」といった技術ありきの相談が増えており、要件定義ができないのだといいます。

 そうした場合は、普段やり取りをしている情報システム部長やCIOではなく、経営トップと話をすることを勧めています。

 またトップには、やりたいことはあるもののやり方がわからない創業型社長と、何をやりたいかを決められないサラリーマン型社長がいて、前者には“How”、後者には“What”を提案する必要があることなど、実践的な内容を教えています。

<続き、最終回「鈴木康弘が恩師に教わったこと、これからの人に伝えたいこと」は8月29日公開です。>
 
続きの記事:
鈴木敏文、孫正義、井上雅博、北尾吉孝 - 恩師から教わったこと、これからの人に伝えたいこと【デジタルシフトウェーブ 鈴木康弘】
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