変革のカギを握るCxOの挑戦 #12

UCC上島珈琲の副社長に抜擢された背景とは【UCC 里見副社長】

前回の記事:
ライフネット生命 森亮介氏は、苦しかった時期をどう乗り越えたか
  小林製薬 CDOユニット ユニット長(取材時:パイオニア チーフ・デジタル・オフィサー)石戸亮氏がマーケティング・DX・CX領域で活躍するエグゼクティブにインタビューし、その人が実績を出している裏側にある考え方を解き明かしていく連載。第6回は、35歳でUCCホールディングスに中途入社してから、グループCSO(最高戦略責任者)などを経て4年4カ月でUCC上島珈琲の取締役副社長に就任した里見陵氏が登場する。コンサルタントや外資系メーカーを経験した後にUCCに入社を決めた背景や副社長に抜擢された理由、大きな変革をしていく上で心がけているマインドについて聞いた。
 

最低10年は1社で打ち込みたいと決め、UCCに入社を決断


石戸 まずは、里見さんのご経歴をお聞きできますか。

里見 新卒で戦略系のコンサルファームに入り、そこでコンサルタントを5年ほど経験しました。その後、当時のクライアントである事業会社に転職しました。コンサルティングファーム勤務時に米国企業が日本企業を買収するプロジェクトに入り、DD(デューデリジェンス)やPMI(ポスト・マージャー・インテグレーション)に1年半ほど携わっていたのですが、クライアントからの要望がありそのまま入社しました。

最初は経営企画のような仕事をしていましたが、29歳のときに突然、国内事業の営業責任者を務めることになりました。それまで1人も部下を持ったことがなかったのですが、いきなり約50人の部下を持ちました。外資系消費財メーカーのベビー用品カテゴリーの小売店に向けた営業責任者として、約100億円の売上責任を負っていました。その後、ブランドマネージャーなど別のアサインメントを経てUCCグループに入社しました。
   
UCC上島珈琲 取締役副社長 兼 UCCホールディングス 執行役員
里見 陵 氏

石戸 コンサルタント、外資系メーカーを経験し、なぜUCCグループに入社したのですか。

里見 UCCグループに親しい方がいて、入社を勧められたことがきっかけでした。いわゆるリファラル採用です。そのときに、UCCホールディングスのグループCOO 兼副社長の志村さんと面接でお話をさせていただきました。非常にリスペクトできる素晴らしい方で、この方の元で働くことは学ぶことが多いだろうと思ったことが入社の決め手のひとつです。

また、それまでの会社では数年という短い期間しか在籍していなかったので、次は同じ会社に最低10年は腰を据えて仕事に打ち込みたいと考えていました。コーヒーはグローバルで展開され、さまざまな奥深さがあるので、その想いが叶うインダストリーだと考えました。入社後、オーナー家の方々にも「最低10年はやります」とお伝えしました。

石戸 「最低10年はやる」と宣言するのはすごいですね。

里見 入社したときが35歳なので、35歳~45歳の年齢でひとつの会社にいると宣言する人はあまりいないようで、長期的に腰を据えUCCグループのためにどう貢献できるかを考えながら業務に取り組んでいることは、現在のポジションに繋がっているのかもしれないです。

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