マーケターズ・ロード 富永朋信 #03

もし目の前に2つ選択肢があったら、より振れ幅が大きいほうを選んだほうがいい【イトーヨーカ堂 富永朋信】

前回の記事:
父への反発から、外資系企業へ。マーケティングの“いろは”を学ぶ【イトーヨーカ堂 富永朋信】

デジタルを経験したいという思いから、WebTVへ

 コダックの次に入社した2社目のウェブ・ティービー・ネットワークスは、米Appleのエンジニア集団が1996年に立ち上げた企業です。

 専用のセットトップボックスに電話線とテレビをつなぎ、家庭で簡単にインターネット接続できるサービス「WebTV」を提供していました(編集部注:日本では2002年にサービス終了)。

 主な操作をリモコンで行うことができる手軽さが特徴で、例えば視聴者が回答できるクイズ番組や、投票できる討論番組、専門家による解説をオーバーレイさせながら見られるスポーツ中継といった番組を実現する、当時としては最先端のテクノロジーだったと言えます。



 日本法人は、富士通とマイクロソフトが出資して設立し、ソニーやパナソニック(当時は松下電器産業)、三菱電機などが端末を製造していました。僕は営業本部に配属、チャネル営業を担当しました。

 なぜウェブ・ティービー・ネットワークスを選んだのか。

 ひとつは、「デジタル」に関わる仕事を経験したいという思いがあったから。

 もうひとつは、「マス」の仕事がしたかったからです。まあ、よく考えるとマスっぽくはありませんが…。日本コダック時代にも、実は「華やかなマス広告に関わりたい」という思いがあったものの、その機会に恵まれなかったため、今度こそという思いがあったのです。

 正直なところ、日本コカ・コーラの採用試験に落ちて入社できなかったので「ここでいいや」という気持ちもありました(笑)。
 

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