変革のカギを握るCxOの挑戦 #15

創業25年のZOZO、なぜ若手メンバーが活躍し続ける職場を実現できるのか【取締役兼COO 廣瀬文慎氏】

前回の記事:
金融からファッションへ。異色の経歴を持つZOZO廣瀬文慎COOが挑むファッションDX
 小林製薬 執行役員 CDOの石戸亮氏がマーケティング・DX・CX領域で活躍するエグゼクティブにインタビューし、その人が実績を出している裏側にある考え方を解き明かしていく連載。

 第7回は、金融業界からファッション業界のZOZOへ2007年に中途入社し、内部監査や経営管理、EC事業などを経て2021年に取締役兼COO(Chief Operating Officer:最高執行責任者)に就任した廣瀬文慎氏が登場する。前編では、管理側と事業側をリードした異色の経験やそこでぶつかった逆境、新たに取り組んでいる挑戦などについて紹介した。後編では、リーダーとして意識していることや、現場の若手が活躍するために取り組んでいることについて詳しく聞いた。
 

現場の腹落ち感を大切に


石戸 これまで、経営管理やブランド営業の本部長として多くの人をマネジメントされてきたと思いますが、その中で廣瀬さんがリーダーとして大切にしていることはありますか。

廣瀬 逆境を乗り越えたときと同じように、「対話」を大切にしていますね。特に現場の腹落ち感を大事にしています。結果的に、同じことになるのかもしれませんが、上からの指示にただ従うのではなく、現場とディスカッションを重ねながら腹落ち感を高めていきチームでひとつになって取り組むことや、メンバー全員が同じ方向に向かっていけるようにしています。
  
ZOZO 取締役兼COO
廣瀬 文慎 氏

石戸 私も現場の話には、とても共感できます。一方で大手企業に関わっていて難しいなと思うこともあります。大手企業では経営企画部が中期経営計画をつくるのですが、その内容は経営企画部と社長しか知らず、現場である事業部を巻き込めていないという状況がよくあるんです。廣瀬さんは、どのようにメンバーの腹落ち感を醸成しているのでしょうか。

廣瀬 私はわりと何でも話すようにしています。特にひとつ下のレイヤーの人には、たとえば前澤さんと今こんな話になっているなどと、進捗を赤裸々に話して、意見を聞くようにしていました。

その意見を前澤さんにも伝え、もしそれが通らなくても、率直にダメだったことを伝えます。そのような姿勢を見せることで、現場も自分たちの意見を汲み取ってくれたんだとわかると思います。

石戸 透明性のあるコミュニケーションということですね。

廣瀬 そうですね。あと、自分の弱音も吐きますね。弱みを見せてメンバーのみんなにサポートしてもらいながら、リーダーをやっていますね。

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