ビジネスにイノベーションを起こす「思考法」 #13
Googleやマッキンゼーで学んだ、事業拡大に必要な考え方【ピンタレスト・ジャパン 定国直樹 聞き手:ニトリ田岡敬】
失敗を恐れずチャレンジしながら、事業をスケールさせていきたい
田岡 Pinterestをどのような会社にしていきたいと思っていますか。定国 Pinterestは、グローバルで1200人のスタッフがいるものの、日本ではまだまだスタートアップです。今後も間違いなく、様々な失敗をすると思うので、そこから得た学びを生かして、スピーディーにチャレンジし、各スタッフがオーナーシップを持って、お互いに融合しながら事業をスケールさせていきたいですね。また、そういった環境を整えることが、私のミッションだと考えています。
田岡 Pinterestのカルチャーを表す言葉は、ありますか。
定国 好きな言葉のひとつに「Knitting(ニッティング)」があります。編み物のニットのことで、動詞的な使い方をすると「編む」という意味になるんです。PinterestユーザーにDIY(Do It Yourself)好きが多いこともあって、社内でも「社員同士で協力し合おう」というときに「Knittingしよう」と言うんです。意見を“編み合って”関係を結んでいこうという企業文化を表していて、とても好きですね。
田岡 お話の中で「リアルの世界も好き」とおっしゃっていましたが、趣味は多い方ですか。
定国 はい、身体を動かすことが好きです。昔は剣道やスキー、アイスホッケーをしていましたし、ヤマハ発動機に入社したのも、オートバイが好きだったのが理由です(笑)。
最近は、50歳に近づいてきたため、長く楽しめるスポーツをしようと思って、ゴルフや水泳を始めました。数年前からロードバイクを始めたのですが、これで水泳が得意になればトライアスロンに出場できると思って、苦手な水泳にも挑戦しています。
Pinterestは、目標をビジュアル化するためにも使えるんですよ。2019年の目標としてトライアスロンのピンをつけて、いつも「がんばるぞ!」と意気込んでいます(笑)。
田岡 何かできないことにチャンレンジしてコツを掴んで、できるようになっていく過程が好きなのですね。
定国 そうですね。忙しい日々の中で、どう効率的にビジネスやスポーツのスキルを上達させるのかを考えることは面白いですね。そして、実際にできるようになると、さらに面白くなるわけです。
田岡 Pinterestの将来についてのイメージはありますか。
定国 将来について、ただひとつ言えることは、Pinterestのコンセプトである「世界中の人が自分の好きなものを発見でき、その実現をサポートすること」は変わらないということです。ただし、その方法は、テクノロジーの進化によって常に変化していくはずです。そのためにも、高いスキルが要求される施策も試していきたいですね。
田岡 数多くの施策を打てば、その内のひとつがホームランになることもありますしね。
定国 そうなんです。バットを振らなければ、ホームランになるかは分かりません。とにかく打席に立って振り続けていきたいと思っています。
田岡敬氏 対談を終えて
行動前の自分のためだけのストック型のPinterestと、行動後にみんなに見てもらうためのフロー型のInstagram。ポジショニングを整理して明確にすれば、まだまだ新メディアが普及する余地はあるのですね、勉強になりました。
日本は全くマネタイズを求められておらず、アメリカもようやく最近、広告を販売し始めたばかり、というのには驚きました。VC(ベンチャーキャピタル)の投資金額が大きくなり、そういう企業が日本を含め世界中で増えてきていますね。マネタイズを求められていないため、定国さんの意思決定の基準がピンタレストの理念から全くぶれないのが印象的でした。それによって意思決定も速く明快になり、組織の動くスピードも上がるのでしょう。
InstagramやWhatsAppの創業者が、Facebookからマネタイズを求められて辞職したのと対照的です。ただPinterestも今後はマネタイズに向かうわけで、マネタイズを求めるタイミングの違いが、どう長期的に影響を与えるのか興味深いです。
日本は全くマネタイズを求められておらず、アメリカもようやく最近、広告を販売し始めたばかり、というのには驚きました。VC(ベンチャーキャピタル)の投資金額が大きくなり、そういう企業が日本を含め世界中で増えてきていますね。マネタイズを求められていないため、定国さんの意思決定の基準がピンタレストの理念から全くぶれないのが印象的でした。それによって意思決定も速く明快になり、組織の動くスピードも上がるのでしょう。
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