自由の毒味 #05
なぜ、あえて社内ベンチャーを選ぶのか?その3つのメリットを紹介【サインコサイン 加来 幸樹】
これまでの連載「自由の毒味」では、WeWork、共創型の制作スタイル、会社の枠を超えたチームメンバー、などサインコサインが大切にしている「働きかた」や「つくりかた」についてお伝えしてきました。
今回は、少し視点を変えて、「セプテーニグループの社内ベンチャーであるサインコサインはどのように生まれたのか?」また「社内ベンチャーっていう選択は実際どうなの?自由なの?」といったあたりについてお伝えしていきます。
より自由な働き方を目指すために「社内ベンチャー」という選択を検討している人にとって少しでも参考になればと思います。
今回は、少し視点を変えて、「セプテーニグループの社内ベンチャーであるサインコサインはどのように生まれたのか?」また「社内ベンチャーっていう選択は実際どうなの?自由なの?」といったあたりについてお伝えしていきます。
より自由な働き方を目指すために「社内ベンチャー」という選択を検討している人にとって少しでも参考になればと思います。
社長になることが目的ではなかった
まず会社を設立した経緯について、私には、そもそも社長になりたい・会社を経営したい、といった強い動機があったわけではありませんでした。これまでの記事でも多く触れていますが「起業家のように働くサラリーマン」というものを意識して活動している中で、「インターネット広告(パフォーマンス運用型広告)の枠を超えて仕事をしてみたら何が起こるんだろう?」「これからは自分の意識している自由な働き方が当たり前の会社があってもいいのでは?」という思いが日々強くなっていました。
当時は、責任と使命も感じながらサラリーマンとして働いていたので、転職しようとか独立しようということは全然考えていませんでした。ところがある時、セプテーニグループで毎年開催されている新規事業コンテストのことを思い出しました。この新規事業コンテストでは、審査を経て、優秀なプランであると認められれば、実際に事業化が検討されることになっています。
今までは考えもしませんでしたが、「いまの自分の社内外の活動やその働き方をそのままビジネス(事業)にできたら自分にもセプテーニグループにもメリットがあるんじゃないだろうか?」、そのようなことを考えるようになったのです。
そしてそれを周囲に相談したところ、驚くほど肯定的な意見を多くいただいたので、(当時もそれなりに忙しかったのですが)意を決してこの新規事業コンテストにチャレンジしてみることにしました。
設立までのプロセスにも大きな価値がある
これまで、仕事上では事業プランや収益計画なんて全く作ったことが無かったので、コンテストに向けたプランの立案やプレゼンテーションにあたっては、本当にたくさんの人の助けを借りました。これまでのキャリアの中で苦楽を共にしてきた社内外の同僚、先輩の経営者や当時お世話になっていたお客様にまで相談に乗ってもらいましたが、その過程すべてが自分にとって貴重な勉強・成長の機会となり、伴って「自分が社長をやるんだ」という決意も徐々に固まっていったように思います(そして自分のことを客観視できていなかったなという反省の連続でもありました)。
セプテーニグループの新規事業コンテストの決勝戦は、合宿形式で行うのが通例となっており、メンター役としてそれぞれにセプテーニグループ役員がついてくれ、それこそ寝食を共にしながら事業プランを詰めきります。自分のやりたいことのために優秀な経営者が全身全霊を注いでくれる時間はとても幸せなものであり、まさに「精神と時の部屋」での修行のようにコンテストの勝ち負けを超えて価値があるものでした。
結果的に、多くの方々のご協力もあり(審査員の皆様からは多くの宿題を与えられながらも)優勝を飾ることができ、本格的に事業化へと進んでいくことになります。そこから約1年強の期間、小規模ながらも「社内ベンチャー」を営んでおりますが、その中で感じている3つのメリットを以下紹介していきたいと思います。