ウーマンズインサイトアジェンダ特別企画 #02

女性向け商材は「女性マーケター」が担当するべき?【オイシックス・クレディセゾン・コーセー・ニッセン・吉野家 座談会】

前回の記事:
女性のインサイトを捉えるための効果的な方法とは【オイシックス・クレディセゾン・コーセー・ニッセン・吉野家 座談会】
 女性向けの商品・サービスのマーケティングをテーマに掲げたカンファレンス「ウーマンズインサイトアジェンダ  2019」が、10月28~29日に京都で開催される。開催を前にカンファレンスのカウンシルメンバーの中から5人がインサイトの重要性や、カンファレンスへの期待について意見を交わした座談会の後編をお届けする。
 

インサイトに極めて近いのが女性?

左から、ニッセン セールス本部ネット企画部サイト企画チーム マネージャー 小林加寿美氏、クレディセゾン デジタル事業部データマーケティング部 データビジネス課 栗田宏美氏、コーセー 宣伝部 宣伝企画・PR課課長 小林祐樹氏、吉野家 CMO 田中安人氏、オイシックス・ラ・大地 サービス進化室・室長・執行役員 菅美美沙季氏

——「ウーマンズインサイトアジェンダ」では、「マーケターに性別は、必要なのか? 最適なチーム編成の法則」というテーマでセッションを行う予定です。女性向け商材を「女性マーケター」が担当する、または「男性マーケター」が担当することについて、どう思いますか。

栗田 ある程度、性別で特性に違いはあると思いますので、両者のいい面を生かしていくべきではないでしょうか。特に、女性は共感力が高いので、女性限定ではない商品やサービスであっても、比較的ユーザーを想定できる部分はあるかもしれませんね。共感力は、女性の強みだと思います。
栗田宏美氏
クレディセゾン データビジネス部

地域密着型メディアの広告企画営業、Web広告代理店コンサルタントを経て、2014年クレディセゾン入社。オウンドメディアの立ち上げ、チームリーダー兼編集長として、メディア運営によるブランディングと働き方改革の2軸を推進。厚生労働省障がい者雇用テレワーク事業に参画するなどし、2018年4月から現職。カード購買データの利活用及び部署横断型の新規事業プロジェクトを担当。さらに2019年10月からコーポレートベンチャーキャピタル「SaisonVentures」を兼務、イスラエルのスタートアップ投資を担当。12月からイスラエルを拠点に、多角的なイノベーション推進を行う予定。

 確かに「何でこうなのか」「こうなんじゃないか」と、深い部分まで考えられる共感力や推察力は女性の方が高い気がします。
菅美沙季氏
オイシックス・ラ・大地 執行役員、サービス進化室室長

化粧品通販会社を経て、2009年6月にオイシックス(当時)へ入社。2013年7月、必要量の食材とレシピがセットになったミールキット「Kit Oisix」を立ち上げる。2016年10月、同社初の女性執行役員となる。

田中 女性は「かわいい」「綺麗」など右脳から入って、次に左脳でロジックを考えてから買いますよね。一方で、男性は左脳から入りがちなので起点が違うと思います。だからこそインサイトが極めて重要になるのが女性ではないでしょうか。Oisixの菅さんのチームは女性が多いんですか。
田中安人氏
吉野家 CMO

コミュニケーションコンサルタントとして組織のコミュニケーションをPDCAで回しながら業績に貢献する手法を実践。マーケティング領域で多数の業種、業界をコンサルティングしながら、吉野家ではCMOとしてマーケティング総括を担当。グリッド 代表取締役社長/公益社団法人日本スポーツ協会ブランド戦略室委員会委員として、日本のスポーツの未来設計を担当。

菅 はい、いま私のチームにはメンバーが26人いるのですが、男性は3人だけですね。そのうち2人はデザイナーです。ただ、当社の方針として男性だから、女性だからという性別を意識したことはないので、共感力や推察力が高い人材がいれば、男性でも女性のサービスのマーケティング領域で活躍することはもちろん可能だと思います。

小林(加) ニッセンは、女性社員が非常に多いのですが、女性が右脳で会話をすると収拾がつかないので、それを男性がまとめてくれている印象です。それはサイトのユーザビリティの設計にも言えて、女性は色々な可能性を試したがるけど、男性は数字をもとにニーズを整理して客観的に無駄を省く傾向があります。そのバランス感覚が非常に重要だと思うので、女性向け商材だから女性の意見がすべて反映されるべきとは思いません。
小林加寿美氏
セールス本部ネット企画部サイト企画チーム マネージャー

2011年 株式会社ニッセン入社<現職責>ニッセンオンラインにて顧客向けの商品売場・イベント企画立案実行を行う部門の責任者。レディースファッション・インナー・アクセサリー・チャイルド・ホームグッズ関連商品など各商品部門と連携し、年・週・日の販促計画を設計。イベントなどコンテンツへの落とし込み、お客様のニーズ、タイミングにあったサイト上の売場を統括・構築。

小林(祐) マーケティング全般でいうと、コーセーは商品企画と商品開発は女性が多く、販売企画は男女半々、宣伝は若干女性が多くて、研究所は男女半々くらい。営業現場は男性の方が多いですね。エモーショナルな部分が多い部署と、客観的に体系的に進めることの多い部署、それぞれに意味がありますよね。もちろん両方のバランスは時々違いますが。
小林祐樹氏
宣伝部 宣伝企画・PR課 課長

広告会社営業にて通信、飲料、教育、出版など様々な広告主を担当。コーセー入社以来コミュニケーション分野に従事。雪肌精などのプロモーション企画、電波・デジタルメディア買付、会員組織運営、フィギュアスケート・ゴルフなどのスポーツマーケティングを担当。現在はPRを含めコミュニケーション全般を管轄。日本アドバタイザーズ協会 Web広告研究会幹事。

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