BACKSTAGE #03

令和時代に求められるマーケター像とは?コメ兵藤原氏、バカルディ須田氏、インテージ小金氏

前回の記事:
平成から令和へ。次代のマーケターに必要なのは、簿記2級とビジネス脳
 体験型マーケティングイベント「BACKSTAGE 2019」内で、「こんにちは『令和』。平成マーケティング業界の振り返りと、未来に繋げること」と題したパネルディスカションが開催。インテージホールディングス・小金悦美氏、バカルディジャパン・須田伸氏、コメ兵・藤原義昭氏の3人が登壇し、平成の30年間に起きたマーケティングトピックを振り返りながら、令和時代のマーケティング業界で大切なこととは何かを探ったパネルディスカッションの後編をお届けする。
 

「マーケター」という言葉はいつ生まれたのか

 
左からコメ兵 執行役員マーケティング統括部長 藤原義昭氏、バカルディジャパン マーケティングディレクター 須田伸氏、インテージホールディングス アルゴリズム事業準備室 室長 小金悦美氏、ナノベーション「アジェンダノート」編集長 兼 コンテンツディレクター 陰山祐一氏(モデレーター)

――後半は、アンケートシステムを通じて会場から出てきた質問をお聞きしていきたいと思います。まずは、「急にマーケターという言葉が顕在化、語られるようになりましたよね。いつマーケターという言葉が生まれたのでしょうかね?」という問いからです。いかがでしょうか。

藤原 昔は、アドマンという言葉がありましたが、最近あまり聞かないですよね。それがマーケターという名称になり、イコール広告になってきているのではないかと思います。
藤原義昭氏
コメ兵 執行役員マーケティング統括部長
1999年コメ兵入社。2000年自社ECの立ち上げをし、物流からささげ業務まですべてを構築する。現在はデジタルマーケティングの統括、情報システム部門トップも兼任し全社ITを統合しデジタルとリアルの融合を推進している。

――たしかに、かつては「広告=マーケティング」の時代がありましたね。みなさんはご自身のことをマーケターだと思いますか?

小金 私は、データを通じてマーケティングを支援する立場として、マーケターであり続けたいと思います。我々自体がリサーチという事業会社ですので、私たち自身もマーケティングをやっているというのもありますが。
小金悦美氏
インテージホールディングス アルゴリズム事業準備室 室長
2001年、インテージ入社。化粧品・飲料・食品の大手クライアントを中心に、マーケティング施策支援の伴走に携わる。2017年よりアライアンス・CVC領域の実務責任者として、当社グループアセットを活かした最新技術や新規事業分野の開拓に従事。2019年4月1日より現職。お客様のデータ活用支援を通じて、人が人らしく働くためのAI活用とは何かを探っている。

須田 
質問の通り、たしかにマーケターという言葉がここ10年くらいで顕在化してきた印象があります。私はマーケティングディレクターという肩書きの通り、マーケティングの責任者なので、その言葉から逃げることはできないと思っています。

ただし、藤原さんの冒頭のお話にもありましたが、いわゆるマーケティングだけで完結する仕事は、ほとんどないんです。そういう意味ではマーケティングと言い過ぎる怖さも感じています。
須田伸氏
バカルディジャパン Marketing Director
大阪府生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。1992年より博報堂制作局にてCMプランナー/コピーライターとして8年間勤務。Yahoo! Japan、サイバーエージェント、Facebook Japan、エアウィーヴを経て、2017年よりバカルディジャパンに勤務。著書に『次世代広告進化論』『次世代広告テクノロジー』『時代はブログる!』など。

藤原 私は世の中の流れを読み、フィットさせて利益を出すことができる人がマーケターだと思うので、ゼロからイチをつくり上げることはアントレプレナー(起業家)に任せておけばいいのかなと。

マーケターと言われる人は色々いますが、それぞれ得意分野が違います。どこが尖っているのかが重要な気がします。

――藤原さんの尖っているところはどこですか?

藤原 なんですかね。現場の人にお願いして動いてもらうことかなぁ(笑)。何か施策を考えて実行に移そうとしても売り場で「こんなのやってられるかよ!」ってなると前に進まないので、現場にしっかり浸透させられるかを戦略的に進めるのは上手いと思っています。

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