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マーケティングアジェンダ

「Amazon、セブン-イレブン 巨大流通にメーカーが勝つ戦略」デジタルシフトウェーブ鈴木康弘・日本マクドナルド足立光 対談【後編】

前回の記事:
「オムニチャネルの真実」デジタルシフトウェーブ(元・セブン&アイ CIO)鈴木康弘・日本マクドナルド足立光 対談【前編】

流通が強大化する中、メーカーの生きる道とは

足立 先ほど、「セブン-イレブンのことが嫌いというメーカーが多いのでは」という話をしましたが、実際、取引して儲かっている人っています?(会場を見渡して)……ですよね(笑)。

 セブン-イレブンに置かないと数が売れない、Amazonに置かないと数が売れないということで、巨大流通向けに一生懸命に商品をつくって売るのだけれど、まったく儲からないという声が、メーカーから聞かれます。Amazonを含め、今後ますます小売・流通の力が強大化していく中、メーカーはどのような対応をしていくべきだと思われますか。



鈴木 大きく2つ挙げられると思います。まず、流通と協力して商品開発に取り組むことは、非常に勉強になります。消費者と日常的な接点を持ち、ニーズを定量/定性の両面から把握している流通の知見を生かしたものづくりは、メーカーにとって少なからぬメリットがあると言えるのではないでしょうか。メーカーがセブン-イレブンと共同開発して好評を得て、その後NBとして全国展開していった例がたくさんあります。古くはカルピスウォーターがそうですし、セブンプレミアムのカップ麺「地域の名店シリーズ」も一例ですね。



足立 なるほど…。ということは、メーカーとしては、セブン-イレブンとの取引は労力がかかる割に儲からなくても、「勉強」だと思いなさいということですかね(笑)。

鈴木 まあ、傍から見ていても腹が立ってくるほど偉そうにしている、イヤなMDはいますよね(笑)。

足立 だから、みんなどちらかというと嫌いだと思いますよ(笑)。

鈴木 もうひとつは、唯一無二の商品を持つことに尽きるのではないでしょうか。代替が効くものでは、小手先のプロモーションをしたところで、やはり選ばれません。逆に「これしかない」という商品だったら、価格が高くなっても買うでしょう。そういう商品を生み出す努力を怠ってはいけないと思います。

足立 他にない商品、流通に対して「嫌なら置かなくてもいいです」と強気に言えるような商品は、多くありませんね。マーケターはよく「Appleやダイソンを目指せ!」と言うのですが、そうそうなれるものではありません。

鈴木 きちんとしたブランディングがなされている商品は、絶大な力を持っている流通にとっても魅力的です。例えば、僕の在籍当時のセブン-イレブンでは、外国人観光客の方々を中心に、コーセーの化粧水「雪肌精」が大変よく売れていました。それゆえ、セブン-イレブンのほうから「ぜひ仕入れさせてください」と、メーカーにお願いしていました。当たり前のようですが、「いい商品をつくり、いいブランディングをすること」こそ、メーカーが最も求められていることだと思います。逆に、流通の力に過剰に頼るビジネスには、必ず縮小均衡が起こりますから。

足立 皆さん、結構耳が痛い思いをしていると思いますよ(笑)。



鈴木 1年なら1年と期間を定めてしっかりと学んだら、次の商品や次のマーケットに進む。そういう発想で臨む必要があるのではないでしょうか。

足立 流通への依存を断ち切るためには、メーカー側の「成功」の価値基準を変えなければならないと思っています。現状は、「前のブランドの実績を踏まえて、次のブランドは販売個数10%増を目指そう」といった具合に、多くのメーカーが規模を追いかけている。このままでは、流通の力に頼らざるを得ません。

鈴木 結局、小売りでもメーカーでも、消費者を掴めているところが強いのです。現段階では、消費者との接点としてリアル店舗は非常に強いですが、だからといってセブン-イレブンがこの強さを未来永劫保てるのかというと、そうではありません。Amazonをはじめとするネット小売勢が、快適な買い物体験を通じて顧客とより密な関係を築くようになり、さらに力を増してくる中、メーカーもお客さまのニーズを吸い上げ、商品・サービスに反映する仕組みを構築する必要に迫られていると思います。

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