カスタマーエンゲージメント研究会 #08Sponsored

日本の業界標準を目指す「カスタマーエンゲージメント指標」が、マーケティング活動に与える影響とは

前回の記事:
三井住友カード、GDO、KINTO、ビームスが、カスタマーエンゲージメントの最新事例を公開 【研究会レポート】
 日本の業界標準となるカスタマーエンゲージメントスコアの設定を目指す「カスタマーエンゲージメント研究会」。PoC(Proof of Concept)開始に向けて、同研究会の事務局長(発起人)である中澤伸也氏と、研究会のメンバーであるブックオフコーポレーションの三井正貴氏とゴルフダイジェスト・オンラインの加藤裕稔氏にカスタマーエンゲージメントスコアについて聞きました。
 

研究会が目指すカスタマーエンゲージメントスコアとは

ーーLTV(顧客生涯価値)に関わる指標として「NPS」が使われることが一般的ですが、今回改めてカスタマーエンゲージメンスコアを開発しようと考えた理由を教えて下さい。

中澤:NPSは、みなさん既にご存じの通り「Net Promoter Score(ネットプロモータースコア)」の略で、「企業やブランドに対して、どれくらいの愛着や信頼があるか」、つまり顧客との関係性を数値化することで顧客体験の改善活動に活かそうという主旨で開発された指標です。
 
中澤 伸也 
Repro 取締役CMO

 ただ実際のマーケティング現場に携わる立場としては、NPSは日々のPDCA活動で直接的に活用していくには、かなり難しいなという実感を抱いていました。

 ひとつ目の理由は、定量的な指標「LTVの先行指標」として、NPSの結果を見るだけでは、日々のPDCAを回すには不十分だということです。LTVは、あくまでマーケティング活動の結果指標です。NPSも同様に日々のマーケティング活動の結果、「推奨意向が高まった」という結果ではないでしょうか。PDCAを回していくためには、先行指標となる何らかの指標をモニタリングし、改善活動に繋げていく必要があります。

 2つ目の理由は、人は必ずしも自分が感じていることを正直には表明しない、という問題です。この傾向は特に日本人に多く見受けられます。人の感情や考えは、結果的には「行動」に現れると考えていて、この行動に関する指標がNPSには折り込まれていない点に課題を感じています。

 そもそも「関係性(エンゲージメント)が深い」とはどういうことか。それは、象徴的な素晴らしい体験に感動し人に推奨したくなったからといって、それが関係性の深い状態かと問われれば、必ずしもそうでは無いからと考えます。

 たとえば、素晴らしい感動体験は無くとも、使い勝手が良いので毎日チェックしているニュースアプリ、人間関係で言えば毎日顔を合わせる職場の同僚といった、「馴染んでいく」ことによっても関係性は深まっていくはずです。たまにしか行かないディズニーランドと、家からの距離が近く、よく行く遊園地や公園、どちらがあなたとの「関係性が深いか」を問われれば、「どちらも」という回答になるのではないでしょうか?

 つまり、「接触頻度」という概念、言い換えれば、コミュニケーションを取る頻度といった行動指標も、エンゲージメントの重要な観点であると考えています。

 よって、今回の取り組みにおいては、以下の条件を満たすスコアの開発が実現できないかと考えて活動しています。

 

① LTVの先行指標となる事
② 情緒面だけでなく行動面も内包した指標である事
③ 日々のマーケティング活動に活かしやすい指標である事

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