ダイレクトアジェンダ2022外伝 #02

資生堂、ZOZO、Mizkanが語るダイレクトマーケティングの現在と未来【ダイレクトアジェンダ2022レポート外伝 第2回】

 

新規の取り組み


新規の取り組み

 そして最後に、メタバースやCookie対策などの新技術についての話がありました。各社金言が散りばめられていますのでご紹介します。

「新型コロナによって興味関心が外から内へ、知る範囲が狭く深くなり、コミュニティが細分化し、マス広告がますます厳しくなりました。デジタルを使ったコミュニケーションでは、ECならではの体験を重要視するように変化し、メタバースなどの新しいテクノロジーは、技術ではなく顧客体験をどうつくるかという文脈で考えるべきです」と、資生堂の小椋さんは語ります。

 ZOZOの山﨑氏は、「コロナ禍においては服への考え方も変化したり、結局この先何が起こるのかわからないのが今の時代です。中・高校生が将来、どのように育っていくのかを想像し、価格・選びやすさだけで勝てるのか?という危機感を持って新たな体験をデザインしています。現在は、『似合う』という新たな文脈にチャレンジしていて、購入のタイミングだけでなく、その前後の体験までをデザインすることに取り組んでいます」と、述べます。

「今の時代は、きれいなものよりざらつきのあるものの方が売れるように。人間が直感的に欲しくなるか。そして、いかに生活者の声を自然に取り入れることができるかが大事です」と、Mizkan ZENBの高橋さんは語ります。

 そして最後に、シンクロの西井さんから「結論、カスタマーサクセスは購入前から、お客さまの購買後の体験を想像してデザインする必要がある」という一言で、このセッションは締まりました。
   
シンクロ 代表取締役社長
西井 敏恭氏
 

まとめ:自社の立ち位置・ステータス・顧客体験における課題を明確にする


 このレポートからもわかったと思いますが、単純にどの広告メニューに、広告を出せばいいかを考えればいいという時代はとっくに終わっています。自社サービスのコミュニケーションにおいて、どのメニューのどんなクリエイティブがいいのか。そして「同じ分類の企業がどう活用しているのか、また、どう活用できる余地があるのか」「自社のサービスと顧客の接点において適切かどうか」が重要です。

 また、「カスタマーサクセスを線で捉える」ことは、自身の担当業務外の領域には手が出しにくいかもしれません。しかし消費者に対して、自社のサービスに対して愛着をもって使い続けていただくために、どこがボトルネックになっているのかを考えるべきです。

 今の業務は、どんなに頑張っても1%しか改善しないかもしれませんし、別の領域では少しの努力で数十%の改善が期待できるかもしれません。自社のサービスがたくさん使ってもらい消費者が幸せになるのならば、隣の部署の仕事をしてもよいと思います。
 

「カスタマーサクセスを線で捉える」重要性


 最後に、少し話はそれますが、私が今回のダイレクトアジェンダ全体で感じたのは「顧客体験をプロセス全体で捉え、どこに課題があり、どこを最適化すれば売上増に直結するのか」という考えの重要さです。
 
  1. ブランドデザイン(パーパス、MVV)
  2. 買物前の体験(アドベリフィケーション、広告
  3. 買物時の体験(接客、提案、UGC活用による背中押し、多言語)
  4. 決済時の体験(支払い手段、カゴ落ち対策、セキュリティ)
  5. 決済直後の体験(ポストパーチェス)
  6. 決済後の体験(コミュニティ、ロイヤリティ、分析)
  7. 顧客像を捉える仕組み(データ整備、社員育成)
  8. 新たな接点(メタバース、ライブコマース)

 と、カンファレンス全体を通じて体験に関する全ての最適化を述べていたのが印象的でした。カスタマーサクセスというと「問い合わせ対応」に主眼が行きがちなのですが、カスタマーサクセスは購入にいたるまでのあらゆるプロセス・接点で意識しないといけません。

 自社ではどこが抜けているのか、どこからチャレンジすべきなのか。ベンダーの立場から言うと、こういった問いを事業主に与えた上で、結果的に支援先のビジネスをスピーディーに、効果的にドライブさせられるかが重要となります。



それは、まさに今年のテーマであった「Leading to Customer Success」ですよね。もちろん、キーノート1で話されたWeb広告やTVCMといったプロモーションが売上を作る上で最も大事なことの一つなのは間違いないのですが、あくまで手法論の話で、「やっているか・やっていないか」よりも「同じ分類の企業がどう活用しているのか(どう活用できる余地があるのか)」「自社のサービスと顧客の接点において適切か」「自社で何をやらないか・やるべきではないのか」が大事なのです。

 少しでも参考になりそうなところがあれば、まずは真似しましょう。

 他にもダイレクトアジェンダ2022の記事をまとめていきますので、ぜひご覧ください。

・キーノート#2  キューサイ 代表取締役社長の佐伯澄氏、キューサイ 代表取締役社長の佐伯澄氏によるキーノート「新生キューサイの未来は?」(公開中)
他の連載記事:
ダイレクトアジェンダ2022外伝 の記事一覧

マーケターに役立つ最新情報をお知らせ

メールメールマガジン登録