B2Bアジェンダ2022外伝 #03

データ活用が浸透していない組織で、マーケターのあるべき振る舞いとは?【B2Bアジェンダ2022レポート外伝 第3回】

 

現在のチャレンジと今後のフェーズとは


 最後に石戸氏から「この熱量はどこから生まれてくるのか。そして、これからどのようにフェーズを上げていくのか」という質問がありました。

 加賀氏は「もちろん自分が取り組んでいて楽しいからという側面もありますが、みんなに耳を傾けたら必ず共感してもらえます。一方、データの重要度は理解されてきましたが、まだまだデータ出しから分析までのすべてを我々が担っているという面があります。それぞれの部門で自走するという文化をつくっていく必要があります」と目標を語ります。

 中島氏は「お客さまの理解とプロダクトの理解という両方の軸を意識し、社内でのワークショップなどを通じてデータをいかに民主化できるかが重要です。誰もが使えて、すぐに活用できるようにすることが次の課題と言えます」とデータの民主化について話します。

 毛利氏は「商品企画でも人事でも所属部門に関わらず、とにかく社内外のデータを使い倒し、没頭するくらい利活用する姿勢と、それに合わせて担当者に責任と裁量を持たせることが大事です」と熱く語ります。

 ここまでの話から私は「熱意」と「寄り添う志」が社内のデータ活用をドライブすると思います。マーケターとして、単にデータ分析が必要だと啓蒙するだけではなく、各部署の課題やリテラシーに寄り添い、データ活用がいかに必要かを具体的に理解してもらい、一緒に行動できるかが、独りよがりではないマーケターとしてのあるべきスタンスです。
  
左かから石戸氏、加賀氏、中島氏、毛利氏

 今回で「B2Bアジェンダ2022」のレポートは以上です。全体を通して、HOWにこだわらず、いかに社内を巻き込み、説得し、結果を出していくのか。マーケターはツールの取り扱いやプロモーションを担当するだけの存在ではないということを理解できたのではないでしょうか。

 それでは、次回のカンファレンスでお会いしましょう。

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