ダイレクトアジェンダ2023レポート外伝 #02
徹底した消費者視点の重要性とは?【ダイレクトアジェンダ2023レポート外伝 第1回】
2023/04/27
オンラインプログラミングスクール「テックアカデミー」を運営するキラメックスでマーケティングを担当している福田保範です。2023年3月23日、24日に鹿児島にて行われた「ダイレクトアジェンダ2023」のレポート第1弾の後編になります。
今回で7年目を迎えた人気キーノート「ダイレクトマーケティングの現在と未来。今後3年間で起こるイノベーションは何か?」というテーマで、スピーカーとしてアンカー・ジャパン 代表取締役CEOの猿渡歩氏、FABRIC TOKYO CEOの森雄一郎氏、サントリーウエルネス メディア部 主任の藤澤周平氏が登壇し、モデレーターは、第1回から務めるシンクロ 代表取締役社長の西井敏恭氏が務めました。
前編では、各マーケティング施策の実施状況と、事業拡大するために短期的な指標と中長期的な指標のバランスについて探りました。後編では、顧客視点やUI(User Interface)の重要性、今回のテーマでもあるナラティブについて迫りました。
今回で7年目を迎えた人気キーノート「ダイレクトマーケティングの現在と未来。今後3年間で起こるイノベーションは何か?」というテーマで、スピーカーとしてアンカー・ジャパン 代表取締役CEOの猿渡歩氏、FABRIC TOKYO CEOの森雄一郎氏、サントリーウエルネス メディア部 主任の藤澤周平氏が登壇し、モデレーターは、第1回から務めるシンクロ 代表取締役社長の西井敏恭氏が務めました。
前編では、各マーケティング施策の実施状況と、事業拡大するために短期的な指標と中長期的な指標のバランスについて探りました。後編では、顧客視点やUI(User Interface)の重要性、今回のテーマでもあるナラティブについて迫りました。
徹底した消費者視点
前編の話を踏まえて、猿渡氏の大切にしていることについて語られました。以下、猿渡氏のコメントを紹介していきます。
猿渡 上記のスライドにある通り、事業成長には徹底的なお客さま目線が重要です。お客さまにモノを購入してもらうビジネスモデルなので、お客さまが求めている製品なのか、期待を超えることができるのかという2点に尽きます。
その裏にあるのが「良さをしっかりと伝えられるかどうか」と「それができる人材を揃えられるかどうか」です。その2点があれば、事業成長はついてきます。結局は、「良い製品をしっかりつくること」こそが本質だと思います。
西井 そうはいってもお客さまの声を重要視している企業が多い中で、なぜアンカー・ジャパンは圧倒的に成長できているのでしょうか。
猿渡 それは、本気で口コミ等のレビュー投稿やお客さまからの電話に対応し、それをもとに改善しているからだと思います。たとえば、Amazonのレビューが5点中3.5点以下の製品であれば、プロモーションだけでなく販売を止めます。我々がいくら投資したかはお客さまにとって関係ないものです。期待が超えられていない製品をプロモーションすることはあり得ません。
また、レビューによって対応を分けており、レビューが悪い場合は、プロダクトチームの責任として製品改定や廃番対象にします。一方でレビューが4.5点以上なのに売れなかった場合、マーケティングチームの責任としてプロモーションを改善します。
西井 マーケティングの手法的には、悪い口コミをハックするという手法もありますが、そこについてはどう思いますか。
猿渡 解約率(チャーンレート)をKPIにしてしまい、例えば電話番号を隠すといったことをしまうのは本末転倒です。そのようなことをしたら、2度と購入してもらえません。お客さまが不満があるときの対応こそ、企業やブランドの真価が問われると思います。マイナスを覆すような、まさにお客さまの期待を超える体験を提供できれば、ベクトルは逆に振れ、ピンチをチャンスに変えることもできると思っています。
アンカー・ジャパンでも、毎年数十万件のお客さまの声が寄せられますが、それらをプラスに変えられたとしたら、すごいアセットになります。お客さまの大事な時間を使って伝えていただく声にはしっかりと応えたいですし、ネガティブな意見からもラーニングして、改善につなげ、ポジティブに変えていければ、むしろ大きなプラスを生み出します。この考え方こそが、アンカー・ジャパンと他の企業との大きな違いだと思います。
猿渡 歩 氏
以上です。ここで、私の感想を紹介します。レビューやお客さまの声にここまで真摯に寄り添い、本気で改善に活かしているという企業は稀ではないでしょうか。消費者視点ではお客さまの隠れたニーズを分析して見出すことだけではなく、すでに顕在化していることから目を背けてはいけないと気付かされました。