あなたのクリエイティブ・ジャンプは何ですか?~ネプラス・ユー京都2024 特別企画~ #05
渋谷の冬空に花火 テクノロジー進化で誰もがクリエイティブ・ジャンプできる時代へ【ネプラス・ユー京都2024 特別寄稿:J.フロントリテイリング 林直孝】
2024年5月20日から21日にかけて、全国のマーケターが京都で一堂に会するカンファレンス「ネプラス・ユー京都2024(主催:ナノベーション)」。全体テーマである「クリエイティブ・ジャンプ」について、トップマーケターでもあるカウンシルメンバーに寄稿してもらう本連載の第5回を担うのは、 J.フロントリテイリング 執行役常務 デジタル戦略統括部長 林直孝氏。かつてウォークマンで「音楽の拡張」を直感した少年は、成長して渋谷の冬空をARの花火で彩るイベントに参画。テクノロジーの進化で誰もがクリエイティブ・ジャンプの可能性を秘めた時代が到来したと語る。
テクノロジーで価値が拡張、時代の変化を見逃すな
林 直孝 氏
J.フロントリテイリング 執行役常務 デジタル戦略統括部長
パルコ入社後、全国の店舗、本部及び、Web事業を行うグループ企業の株式会社パルコ・シティ(現 株式会社パルコデジタルマーケティング)を歴任。
2013年に新設された「WEBコミュニケーション部」にてPARCOのデジタルマーケティング及びオムニチャネル化を推進。
2017年より「グループICT戦略室」にて、ショッピングセンターのDX(デジタルトランスフォーメーション)を具現化するため『デジタルSC(ショッピングセンター)プラットフォーム』戦略の推進を担当。2022年3月よりパルコ、大丸松坂屋百貨店等の持株会社であるJ.フロントリテイリング株式会社でグループ企業のデジタル戦略の推進を担当。
J.フロントリテイリング 執行役常務 デジタル戦略統括部長
パルコ入社後、全国の店舗、本部及び、Web事業を行うグループ企業の株式会社パルコ・シティ(現 株式会社パルコデジタルマーケティング)を歴任。
2013年に新設された「WEBコミュニケーション部」にてPARCOのデジタルマーケティング及びオムニチャネル化を推進。
2017年より「グループICT戦略室」にて、ショッピングセンターのDX(デジタルトランスフォーメーション)を具現化するため『デジタルSC(ショッピングセンター)プラットフォーム』戦略の推進を担当。2022年3月よりパルコ、大丸松坂屋百貨店等の持株会社であるJ.フロントリテイリング株式会社でグループ企業のデジタル戦略の推進を担当。
2024年2月2日、アップル社初の空間コンピューティング(spatial computing)デバイスとしてApple Vision Proがデビューしました。これにより、いよいよ「空間を身にまとう時代」が到来したと感じます。
創業当時から「空間を身にまとう時代を作る」をバリューに掲げ、デジタルとフィジカルをつなぐ「空間レイヤープラットフォーム」サービスを提供しているスタートアップ企業のSTYLY社は、45年前にウォークマンが登場したことで「音楽を身にまとう」時代が到来したと振り返ります。
私も、初めて音楽を「身にまとった」日のことを、その場の情景とともに今でも鮮明に覚えています。当時中学生だった私は、放課後近所のグラウンドで友だちとサッカーの練習をしていました。夕暮れ時になり家に帰ろうとなったとき、同級生のひとりがおもむろに取り出したウォークマンを貸してくれました。ヘッドフォンをつけた瞬間、耳から耳へ何かが軽快に駆け抜けていくような衝撃をうけました。その楽曲は「YMO(イエロー・マジック・オーケストラ)」というグループのものだと、友だちから教えてもらいました。それまで、室内で楽しむことが当たり前だった音楽が、ウォークマンの登場により、いつでもどこでも楽しむスタイルに変化すると同時に、音楽のクリエイティブの在り方も変化していきました。
私にとってウォークマンとの出会いは、シンセサイザーやコンピューターといったデジタルテクノロジーを駆使して音楽のクリエイティブが変化していく時代との出会いでもあったわけです。
時代は進み、iPhoneの登場により、人々は音楽だけではなく、様々な情報を常に持ち歩く時代を迎えました。以来、私たちはショッピングも娯楽も、多くの時間を手のひらにある情報と共に過ごすライフスタイルへ変化しました。また、この変化によって、私たちは情報を受け取るだけではなく、自らがスマホでコンテンツを生み出すクリエイターにもなり、自ら発信するメディアの力も手にするという機会も獲得しました。
そして今年到来した「空間を身にまとう時代」はどういう時代で、どんな変化が起きるのでしょうか?
Apple Vision Proが発売される前日の2月1日から2週間にわたり、東京・渋谷で空間を身にまとう時代の幕開けを飾るイベントが実施されました。「冬の渋谷の夜空を彩るAR花火イベント~ MIRAI HANABI in SHIBUYA PARCO ~」です。
前述のSTYLY社のご協力により、私が所属するJ.フロント リテイリングが主催したこのイベントは、スマートフォンを介したARによって商業施設を拡張する新たな空間エンタテインメントであり、音楽を“YMO第四の男”と称される松武秀樹氏、AR登場キャラクター制作を世界で活躍するXRクリエイターKaoru Naito氏に担当していただきました。
どういったイベントだったかは百聞は一見に如かず、こちらの動画をご覧いただければ幸いです。
~ MIRAI HANABI in SHIBUYA PARCO ~
残念ながら、このイベントではApple Vision Proを着用して体験いただくことは叶いませんでしたが、 近い将来、スマホの次のデバイスとして普及が期待されるスマートグラス越しに、きらびやかなビルが林立する渋谷の街を借景とした夜空に、たくさんの花火が打ちあがる日を、想像の世界ではありますが一足早く体験していただけたのではないかと思います。
この変化は、百貨店・ショッピングセンター業界にも大きな変革をもたらすものと思います。
たとえば、従来は花火大会をより楽しむための浴衣を買いに来たその場所が、季節を問わず花火を楽しむ場所ともなることで、価値が拡張し、大きく変容する可能性がある事を意味します。
「空間を身にまとう時代」の到来は、期せずして同じタイミングで到来した生成AI普及のタイミングとも合致しており、これまで以上に誰もがこの時代のクリエイターとして参加できる可能性も秘めています。デバイスやテクノロジーの進化とともに、クリエイティブとライフスタイルの変化を体感してきた私たちにとって等しく、クリエイティブ・ジャンプの可能性を秘めた変化の到来なのです。
「ネプラス・ユー京都2024」に参加するマーケターの皆さんは、スマホの先にある「空間を身にまとう時代」の到来に、どんな印象を持たれたでしょうか? テクノロジーの進化がきっかけとなり生み出されるクリエイティブ・ジャンプに思いを馳せて、新たなマーケティングのカタチを考えてみるのも楽しいと思います。
ネプラス・ユー京都2024 開催概要
- 名称
- Ne Plus U 京都 2024(ネプラス・ユー 京都 2024)
- 日時
- 2024年5月20日(月) - 21日(火) *2DAYS
- 会場
- 京都テルサ テルサホール
〒601-8047
京都府京都市南区東九条下殿田町70 JR京都駅(八条口西口)より南へ徒歩約15分 - 参加方法
- ブランド(2DAY):無料(事前審査制)
ブランド(ワンデイ):無料(事前審査制)
プレミアムブランド枠:100,000円(税込110,000円)
パートナー枠:250,000円(税込275,000円) - 定員
- 250名
- ハッシュタグ
- #NPU24
- 主催
- 株式会社ナノベーション
- 特別協力
- アジェンダノート(Agenda note)