ダイレクトアジェンダ2024 #08

I-ne、mederi、Pococha、成長中のブランドはどんな広告施策で成果を出しているのか【ダイレクトアジェンダ2024レポート】

 

コミュニケーションの秘訣は、オンラインとオフラインの巧みな使い分け


西井 それから、オフライン広告にもいろいろ種類がありますよね。テレビCMも以前に比べて、インターネットだけではなくミックスされていることが増えてきたのかなと思います。mederiにおけるアドトラック(トラック広告)の活用についてはいかがですか。
  

坂梨 アドトラックは、ポスターを貼ったトラックを街中に走らせるという広告方法になります。いろいろな街を走ってくれるので、効率がいいなと思って挑戦しました。

西井 I-neのBOTANISTも、バス停など、街中でよく広告を見る気がします。費用対効果については、どのように考えていますか。

伊藤 正直なところ計測できないのですが、直接「見たよ」と言っていただけることが多く止めてはいけないなと思っています。定性的に、感覚的に行っていますね。

西井 直接的な費用対効果を見るのではなくて、そういった声を聞き続ける限りは広告を続けるということですね。Pocochaはまさに、リアルなイベントをミックスしていますよね。

村口 そうですね、我々のユニークな部分だと思っています。イベントは、もちろん新規獲得のきっかけになりますが、ライバーさんがリアルな場所に出られるリワード的な位置づけでもあるんです。そして、リスナーさんにとってはそこに行くこと自体が楽しみになります。このように、双方がハッピーになることを目的としてイベントを開催しています。流石にマス広告を打ったときほどではないですが、そのエリアを限定で見ると、イベント後には新規ユーザーが増加しますね。

西井 ありがとうございます。のちほどブランドの観点から話したいと思っているので、次はそれ以外のサイト施策について見てみましょう。mederiはWeb接客ではなくLINEを活用しているということですが、具体的に教えていただけますか。

坂梨 まずは公式サイトにアクセスしていただきます。「診療予約から始める」というところを押すと、mederiのLINE公式アカウントと友だちになることができ、診療予約、会員登録、事前問診まで、LINE内で完結するんです。それだけでなく、処方のときにも医師とテレビ電話をして、最終的にはLINEで購入していただくという動線です。LINEは非常に活用していますね。

西井 すべて、LINE中心のコミュニケーションになっているんですね。

坂梨 そうですね。公式LINEにいけばmederiのことがわかるという仕組みです。

西井 LINE以外に購入する方法はありますか。

坂梨 Webを活用して、オンライン診療を設計されているサービスもあります。ただ、やはり画面遷移が多く、ユーザーさんが迷子になりがちなんです。会員情報登録で止まっているのか、事前問診で止まっているのか、自分ではわからない状況になってしまうので…。

西井 もう、LINEコマースと呼んでもいいくらいですね。昔からあるEコマースだとなかなか切り替えられない部分もあると思いますが、実はLINEだけでもコミュニケーションは十分完結できるし、お客さまとのつながりもずっと続けられますよね。Pocochaの場合は、コミュニケーションはすべて画面に集約しているということですか。

村口 そうですね。ただ、アプリのお知らせだけではカバーし切れない情報もあるので、カスタマーエンゲージメント プラットフォームなどを導入しています。

西井 まだ取り組んではいないけれど、ここについては今後、必要性を検討しているということですね。それから、ECモールやアプリの活用状況についてです。I-neはモールにすごく出しているイメージですが、活用の仕方はどのようにされていますか。
  

伊藤 当社の商品は、基本的にドラッグストアで販売されているので、正直、自社サイトで購入するメリットはそこまで打ち出せないんです。そこで、モールをひとつの小売店のような形で捉え、買いやすくしています。

西井 モールと店頭では、量としてはやはり店頭の方が出ているイメージがありますね。

伊藤 そうですね。3:7くらいの割合で店頭での販売量の方が多いです。

西井 その中で、モールはどのような立ち位置で使っているんですか。

伊藤 モールは、新規のお客さまに最初に買っていただく場所として捉えています。その後、リピートするときに店頭購入をしていただくのが狙いです。

西井 なるほど。2回目以降はオフラインで買ってもらうけど、最初の接点としてモールで買ってもらうということですね。モールの中の広告で、まだ使っていないお客さまにアプローチしていくという感じでしょうか。

伊藤 おっしゃるとおりです。

西井 あとはアプリですね。mederiのLINE公式アカウントについても、紹介していただいてもいいですか。

坂梨 先ほどもお伝えしたように、私たちのプラットフォームを形成しているのがLINE公式アカウントになります。その中で、リッチメニューをセグメントごとに変えられるので、まだ予約されてない人にはこういうリッチメニューを出そうとか、利用継続者にはこういうリッチメニューで訴求しようという形での活用シーンが多いですね。コスパも非常にいいので、アプリをつくらずに公式LINE内でミニアプリとして完結させています。
  

西井 資料の最後に、生成AIなどを含めた最新の取り組みについて並べてみました。生成AIに本腰を入れて取り組まれている企業はまだないのが現状ですね。

※後編 I-ne、mederi、Pocochaが語る「顧客視点」で実行する体験価値向上の秘訣【ダイレクトアジェンダ2024レポート】 に続く

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