ネプラス・ユー京都2024 #05

コクヨ黒田社長が考える「クリエイティブ・ジャンプ」とは?「ネプラス・ユー京都2024」開幕 京都にトップマーケターが集結

前回の記事:
京セラ、カンヌライオンズなどに学ぶ、マーケター必見・売上直結の「クリエイティブ・ジャンプ」とは【ネプラス・ユー京都2024 セッション】

「クリエイティブ・ジャンプ」をテーマに、実践的な角度から議論


 関西を中心にトップマーケターが集結し、日本のマーケティング業界を活性化させるマーケティングカンファレンス「ネプラス・ユー京都2024(主催:ナノベーション)」が5月20日、京都(京都テルサ テルサホール)で開幕し、会場は熱狂に包まれた。

 初日のオープニングキーノートでは、「コクヨ黒田社長の思考から『クリエイティブ・ジャンプ』の論理を再考する」というテーマで、コクヨ 代表取締役社長の黒田英邦氏が登壇した。「キャンパスノート」や「しゅくだいやる気ペン」など、個性豊かなアイデア文具を生み出し、コロナ禍以降も売上と利益ともに増加しているコクヨ。そのクリエイティビティはどのような思考で生まれているのか。今回のテーマでもある「クリエイティブ・ジャンプ」のテーマに絡め、製品開発プロセスにおいての独自性や、社長就任からの約10年で変革した組織としてのクリエイティビティ、さらにクリエイティブな人材に必要な素養とユニークな事業をつくり続ける思考について、花王 DX戦略部門の廣澤祐氏が深掘りした。

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(左から)花王 DX戦略部門の廣澤祐氏、コクヨ 代表取締役の黒田英邦氏

 その後の公式セッションでは「マーケターにとっての『カンヌライオンズ』とは?」と題して、近年クリエイションだけでなくビジネスにも生かせる“見本市”としても知られる「カンヌライオンズに焦点を当てた。実際にカンヌを訪れ、同フェスティバルの傾向や注目作の動向を毎年レポートし続けている多摩美術大学 / コミュニケーション・ラボ 教授の佐藤達郎氏が登壇し、カンヌライオンズがマーケターにとってどのような意味合いを持つのかを、今回のテーマ「クリエイティブ・ジャンプ」にも関連する過去の受賞作品を交えて分かりやすく解説した。

 また、初日の最後には「『クリエイティブ・ジャンプ』に生成AIは活用できるのか?」というテーマで議論が行われた。シャープ モバイルソリューション事業統括部 統括部長の景井美帆氏、J.フロント リテイリング 執行役常務 デジタル戦略統括部長の林直孝氏がスピーカーとして登壇。マーケティングに生成AIを活用する企業も増えつつあるが、画像や動画などさまざまなコンテンツを瞬時に生み出し、猛烈な勢いで進化し続ける生成AIは、今後の可能性を広げる鍵となりうるのか。ただ生成AIを使いこなすだけでなく、より良いアイデアやコンテンツなど、マーケティング活動全般のアウトプットをジャンプさせるために必要なことを、モデレーターを務めたフロンティア・マネジメント シニア・ディレクターの木村真琴氏とともに議論した。

 初日のプラグラムがすべて終了すると、夜には「京都鉄道博物館」でネットワーキングパーティが行われた。本館は国内最大級の54両を収蔵し、国の重要文化財に指定されている「扇形車庫」を展示するなど、伝統に息づく京都ならではの施設で、参加者は目の前に広がる車両を見ながら、特別なネットワーキングを楽しんだ。

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京セラの海外PR施策に隠された「クリエイティブ・ジャンプ」に迫る


 2日目も見どころ満載の公式セッションが行われる。キーノートでは、「アバターと未来社会~ロボットとAIの時代が拡張する人間理解~」というテーマで、ロボットとアバターの第一人者であるAVITA 代表取締役社長 CEO/CTO 兼 大阪大学栄誉教授の石黒浩氏が登壇。マツコ・デラックスのアンドロイド「マツコロイド」の開発などにも注力してきた石黒氏が描く人間とアバター・AIとの共存、近未来の人間社会のあるべき姿とは。同氏の研究を通じた人間理解をもとにマーケティングや「クリエイティブ・ジャンプ」などについて、モデレーターのジェネレーティブAIやWeb3など、最新のテクノロジーに精通する、Metaverse Japan 代表理事の馬渕邦美氏が紐解く。

 このほかにも公式セッションでは、京セラが世界中で日々研究に励むエンジニアを応援するために、海外PR施策として制作したブランドムービー「We Love Engineers」の背景と国内のデジタルマーケティングを紐解くセッションや、タピオ 代表取締役社長の越智勝寛氏、大都 代表取締役の山田岳人氏をスピーカーに迎えクリエイティブ・ジャンプを生む『おもろい』組織カルチャーに迫るセッションなど、関西マーケターが中心となる「ネプラス・ユー京都2024」ならではの見逃せないコンテンツが予定されている。

 「ネプラス・ユー京都2024」のテーマは「クリエイティブ・ジャンプ」だ。関西といえば、耳目を集める「おもろい」広告の一大集積地として名高いが、それらは実際にどれほど売上に結びついているのか。データに基づくマーケティング戦略を徹底的に突き詰めても、最後に顧客の購買を決定づけるのは、多くの場合、広告コミュニケーションをはじめとしたアウトプットになる。そんな中、サイエンスだけでもアートだけでも成し遂げられない、売上や集客、ブランド力を押し上げる「クリエイティブ・ジャンプ」はどのように生み出されるのか。クリエイターとの共創に取り組むマーケター必見の、再現性の高い知識やノウハウが議論されるプログラムを用意する。
ネプラス・ユー京都2024 公式サイトは、こちら

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