ライジングキャンプ2024レポート #01

感動を生み出し続けるトリドールが掲げる「二律両立」 南雲克明CMOの思考法【ライジングキャンプ2024レポート】

 

感動を生み出し続けるために必要な7つの素養


廣澤 ここからは、感動を生み出し、結果として高い勝率を実現させる人材に必要な素養について聞いていきます。ひとつ目は、マインドセットについてです。南雲さんの考えを聞く前に、まずは会場の皆さんに聞いてみたいと思います。いかがでしょうか。

参加者 自分自身が感動し続けることが大切だと思います。上司や先輩から、よく言われるのですが、自分自身がどういうときに感動したり、心が動いたりするのかは、消費者の観点にも近いはずなので、そこを意識し続けるようにしています。

廣澤 素晴らしいですね。もうひとりの方、いかがでしょうか。

参加者 綺麗な回答はできないかもしれませんが、やる前から「これはきっとうまくいかない」といった固定概念を無くすことが重要だと思います。私の会社でも凝り固まった考えの人が多いので、新しい発想を否定しないマインドセットが必要だと思います。

廣澤 ありがとうございます。それでは南雲さんの考えを聞いていきましょう。
 
勝率を上げ続けるために必須のマインドセット、ソフトスキルとは?

※すべては目的がスタート地点
1. マーケティングが大好きになる
2. 同質化しない (同質化の先はレッドオーシャンしかない)
3. あきらめない気持ち (反対されてからが勝負)
4. プライドを捨てる (余計なプライドは成長の邪魔になる)
5. 先入観と常識を疑う (それホント?の視点)
6. 楽観と悲観の両立 
7. こだわる(大事なことは10の内2つ位。譲れないことはとことんこだわる)

南雲 その時々の状況によって変わると思いますが、すべては目的から始まります。目的がスタート地点であるという前提で7つ挙げています。ビジネスでも、個人でも目的がスタート地点であることは重要です。

まずは、「マーケティングが大好きになる」や「同質化しない」です。特に「同質化しない」は、ビジネスでも個人でも重要だと思います。そして、「あきらめない気持ち」です。私は周囲から反対されてからが勝負だと考えています。逆に、みんなが良いと言うものは、大抵ヒットしません。むしろ、反対意見の先にあるチャンスを狙ったほうが当たります。

次に「プライドを捨てる」です。余計なプライドは成長の邪魔になりますし、先入観や常識を疑う目も必要です。そして、「楽観と悲観の両立」も欠かせません。楽観だけでもダメですが、悲観だけでもダメです。この両方をバランスよく持ちながらマーケティングを行うとよいです。最後に、成功まで「こだわり続ける」です。

廣澤 ありがとうございます。7番目の「こだわる」について、「重要なことは10のうち2つ位」とありますが、これはどういう意味でしょうか。



南雲 私の長年の経験から、やることが10あったら、そのうち2つ程度が本当に取り組むべきことです。その他は、他の人に自由に取り組んでもらってかまいません。ただし、その大事な2つに関しては、自分の感覚を信じ徹底的にこだわるんです。

廣澤
 6番目の「楽観と悲観の両立」は、個人としてということでしょうか。

南雲 はい、悲観だけだと、ワクワクするような絵は描けません。一方で、楽観だけでは、何か予期せぬことが起こったときの二手、三手がないんです。それでは困るので、両方を持っておきたいですね。

廣澤 会議でもよく「悪魔の代弁者」と言いますが、言いにくいことをあえて言う人の存在が重要です。自分自身の中にも、そうした反対の視点を持っておくことが必要なんですね。

※第2回 トリドールCMO南雲克明氏が語る「感動体験の追求」に必要な戦略的思考とは?【ライジングキャンプ2024レポート】 へ続く
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