Rising Academy powered by ノバセル ~若手マーケターの登竜門~ #08

花王 廣澤祐氏の強さとは? 愚直なインプットとアウトプットで呼び込む「計画的偶発性」

 

偶然のチャンスを最大限に生かす


 「5年後、10年後のキャリアプランのようなものはない」と語る廣澤氏は、キャリアは計画通りにならないという前提に立ち、偶然の出来事や外部環境を生かす「計画的偶発性理論」(Planned Happenstance Theory)をキャリア観の軸としている。確かに、新卒時代の「英才教育」をはじめとして、廣澤氏のキャリアには偶然性が大きいように見える。

「新卒で石井さんと板橋さんの部下として配属されたことなどは、まさに偶然です。そういった幸運な選択肢をいかに自分の前に並べられるかが重要で、そのために自分に足りないと思うことを素直に勉強したり、目の前のことに真剣に努力したりするのが大事だと思っています」

 与えられたチャンスをどれだけ生かせるかは本人次第だ。廣澤氏はイベントや取材などで先輩マーケターに話を聴く際は、相手先企業のIR資料や過去記事を「最低限のビジネスマナー」として読み込み、質問や構成を徹底的に練って臨む。そんな廣澤氏だからこそ質の高いインプットとアウトプットが可能となり、それを愚直に繰り返すことで、容易に真似できない「強み」を確立できたのだろう。

「よくwill・can・mustと言いますが、ビジネスパーソンとして当たり前のmustを積み重ねないとcanになりません。mustもcanも足りないのにwillだけ主張しても、経験で勝る先輩たちには及びません。逆に、若い時に使えるのは時間と馬力です。私の場合は実直にmustとcanを蓄積していった先に、それをどう使うか考えたいと思っています。今はコスパを意識しすぎて、すぐ役に立つ強みを求めすぎている人が多いのではないでしょうか」

 本業においては花王のデジタル戦略の担い手として、業務の効率化や人材育成、基盤整備などに取り組む。若手マーケターの旗手としてデジタルマーケティング U35 Projectのプロジェクトリーダーを務め、副業もこなすほか、現在は博士論文執筆が佳境に入り、いよいよ多忙を極めている。

 そんな中、廣澤氏は2月5日にライジングアカデミーのためにマーケティング戦略講座を行う。既に濃密な事前課題を与えられ、この記事が公開された時点でも懸命に取り組んでいる受講生はいるかもしれない。

 マーケター歴は10年に満たない廣澤氏はあくまで、受講生と同じトラックを走っている。しかしその姿勢と内に秘めた「強さ」には、年齢を問わず、誰もが敬意を抱き、参考にできる部分が多いはずだ。

 まずは事前課題をしっかりとこなし、廣澤氏の気迫に負けない貪欲さを持って講座当日を迎えてほしい。マーケティング戦略の知識はもちろんのこと、これまでにない刺激を得られる時間となるだろう。

【参考記事】
▼廣澤祐氏からライジングアカデミー受講生へのメッセージ
無料の若手育成「ライジングアカデミー」、現役トップマーケター講師がエール「信頼されるマーケターに」
  
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