マーケティングアジェンダ東京2024レポート #02
カインズとDAZNから学ぶ、「話題化」する情報設計の2つの視点【マーケティングアジェンダ東京2024レポート】
2025/02/04
国内外のブランド企業などのトップマーケターが集結する日本最高峰のマーケティングカンファレンス「マーケティングアジェンダ東京2024(主催:ナノベーション)」が2024年12月5日から6日にかけて、東京都内(ベルサール新宿グランド)で開催された。
そのキーノートセッションをnote プロデューサー/ブロガーとしてビジネスパーソンのキャリア構築や、企業の広報やマーケティングのサポートを行っている徳力基彦氏がレポートする本連載。
第2弾として、元Twitter Japan社長で、2024年2月からDAZN Japan CEO 兼 アジア事業開発に就任した笹本裕氏が登壇し、Twitter成功の軌跡とDAZNでの新たな挑戦について語ったセッションと、カインズ マーケティング本部 執行役員CMO 兼 マーケティング本部長の石橋雅史氏と、同社CDO(当時)の池照直樹氏(現 日本ケンタッキー・フライド・チキン 常務執行役員 CDTO DX 推進本部長)が登壇し、マーケティングとデジタルの壁を越え経営にインパクトを与える理想的な連携を探ったセッションの2つをレポートする。
そのキーノートセッションをnote プロデューサー/ブロガーとしてビジネスパーソンのキャリア構築や、企業の広報やマーケティングのサポートを行っている徳力基彦氏がレポートする本連載。
第2弾として、元Twitter Japan社長で、2024年2月からDAZN Japan CEO 兼 アジア事業開発に就任した笹本裕氏が登壇し、Twitter成功の軌跡とDAZNでの新たな挑戦について語ったセッションと、カインズ マーケティング本部 執行役員CMO 兼 マーケティング本部長の石橋雅史氏と、同社CDO(当時)の池照直樹氏(現 日本ケンタッキー・フライド・チキン 常務執行役員 CDTO DX 推進本部長)が登壇し、マーケティングとデジタルの壁を越え経営にインパクトを与える理想的な連携を探ったセッションの2つをレポートする。
DAZNが挑戦する話題化のレシピ
昨年の「マーケティングアジェンダ東京2024」では、「話題化のレシピ」をテーマにさまざまなセッションが展開されました。その中でも、特に印象に残った話を紹介します。
「話題化のレシピ」という単語だけを聞くと、単にバズらせるための成功の方程式を期待するマーケターは少なくないかもしれません。ただ、同カンファレンスの主催であるナノベーションから提示されていたのは、単にバズらせるための事例を学ぶことではなく、情報設計のプロとして「話題化のレシピ」を探求すべきという視点でした。
そのような意味で興味深かったのは、2つのキーノートセッションで「話題化のレシピ」に対するアプローチが真逆だった点です。
ひとつ目は、元Twitter Japan社長で、2024年2月からDAZN Japan CEO 兼 アジア事業開発に就任した笹本裕が登壇したセッションです。その前半では、Twitter Japanの社長時代にイーロン・マスク氏による買収から退任に至るまでの経験談や裏話を紹介されました。
参考記事:元Twitterジャパン社長の笹本裕氏が語る、逆境を乗り越える思考術
DAZN Japan CEO 兼アジア事業開発
笹本 裕 氏
2024年2月、DAZN Japan CEO 兼アジア事業開発に就任。日本でのマーケットリーダーとしてのポジションを確固たるものとしながら、アジアパシフィック(APAC)への拡大、DAZN Taiwanの事業成長を担います。これまでの27年以上のキャリアで、テクノロジー、メディア、エンターテイメント領域でリーダーとしてビジネスを牽引。Twitter Japan株式会社では代表取締役として日本とAPACの成長を主導し、2014年の就任から9年間で本国アメリカに次ぐ事業規模を築く。エム・ティー・ヴィー・ジャパン、マイクロソフトといったグローバル企業・ブランドでの経験も豊富で、日本のみならずグローバルな視点で成長と変革へと導いてきました。現在も株式会社サンリオ、株式会社KADOKAWAで社外取締役を務めており、スポーツ組織、代理店、メディアを中心とした政財界での幅広いネットワークにより、世界的に多様化するスポーツ、エンターテイメント界において、DAZNのさらなる成長を牽引します。
笹本 裕 氏
2024年2月、DAZN Japan CEO 兼アジア事業開発に就任。日本でのマーケットリーダーとしてのポジションを確固たるものとしながら、アジアパシフィック(APAC)への拡大、DAZN Taiwanの事業成長を担います。これまでの27年以上のキャリアで、テクノロジー、メディア、エンターテイメント領域でリーダーとしてビジネスを牽引。Twitter Japan株式会社では代表取締役として日本とAPACの成長を主導し、2014年の就任から9年間で本国アメリカに次ぐ事業規模を築く。エム・ティー・ヴィー・ジャパン、マイクロソフトといったグローバル企業・ブランドでの経験も豊富で、日本のみならずグローバルな視点で成長と変革へと導いてきました。現在も株式会社サンリオ、株式会社KADOKAWAで社外取締役を務めており、スポーツ組織、代理店、メディアを中心とした政財界での幅広いネットワークにより、世界的に多様化するスポーツ、エンターテイメント界において、DAZNのさらなる成長を牽引します。
そして後半では、「DAZNと話題化のレシピ」という文脈で、笹本さんが注目されている、「スポーツのモーメントにおける感情の変化」と、その瞬間と連動した「ブランディングにおける機会との親和性」について紹介しました。
サッカーでゴールした瞬間や野球でホームランを打った瞬間、F1におけるオーバーテイクの瞬間など、スポーツにはさまざま場面で激しく感情が変化するモーメントが存在します。この瞬間を商品やサービスのブランディングの機会とマッチングすることができれば、それがある意味「話題化のレシピ」の強力な要素になる可能性があるわけです。
笹本さんはもともとTwitter Japan時代からAIに大きな興味を持たれていたそうで、DAZN Japanに転職したのもスポーツとAIの組み合わせによる化学反応に興味をもったことが背景にあったそうです。
現在、DAZN JapanではAIを活用してスポーツのシーンに対する感情の類型化にも挑戦し、マルチスクリーン機能によるスポーツ視聴の多様化も模索されているそうです。また、最も力を入れているのが、スポーツのモーメントをシェアする機能とブランディングを連携した機能のリリースの準備とのことでした。
スポーツのモーメントで人の感情が動く瞬間を捉えた「話題化」への挑戦に、今後も期待したいです。