ライジングアジェンダ2024レポート #03
資生堂 清水明子氏が語る、マーケターとして必要な「感性」の磨き方【ライジングアジェンダ2024レポート】
2025/03/27
次世代を担うマーケターが一堂に集う「ライジングアジェンダ2024(主催:ナノベーション)」が2024年12月3日、4日に都内(ベルサール新宿グランド)で開催された。
公式セッションでは「感性と論理を使いこなすマーケターになるには」と題し、資生堂ジャパン クレ・ド・ポー ボーテ 事業部 マーケティング ヴァイス プレジテントの清水明子氏が登壇。清水氏はP&G、日本ロレアル、ペルノ・リカール、LVMH傘下のロロ・ピアーナなど幅広いブランドで経験を積み、戦略設計とクリエイティブな感性を融合させて成果を上げてきた。モデレーターは花王 デジタル戦略部門 デジタル戦略企画センター 戦略企画部の廣澤祐氏が務め、感性と論理を使いこなすマーケターになるための思考プロセスを紐解いた。
公式セッションでは「感性と論理を使いこなすマーケターになるには」と題し、資生堂ジャパン クレ・ド・ポー ボーテ 事業部 マーケティング ヴァイス プレジテントの清水明子氏が登壇。清水氏はP&G、日本ロレアル、ペルノ・リカール、LVMH傘下のロロ・ピアーナなど幅広いブランドで経験を積み、戦略設計とクリエイティブな感性を融合させて成果を上げてきた。モデレーターは花王 デジタル戦略部門 デジタル戦略企画センター 戦略企画部の廣澤祐氏が務め、感性と論理を使いこなすマーケターになるための思考プロセスを紐解いた。
P&G時代の先輩の言葉「すべては自分のせいである」
廣澤 ライジングアジェンダ2024のテーマは「理想のマーケターとは?」です。最初に、成果を出すために必要なスキルとマインドセットについて、清水さんが大切にされていることを教えてください。
清水 ビジネスパーソンとして必要なスキルは、日々の活動の中で磨いていくものです。目の前の仕事を一つひとつ丁寧にこなすことで、昨日できなかったことが今日できるようになっていく。そのような過程を大切にしています。

資生堂ジャパン クレ・ド・ポー ボーテ 事業部 マーケティング ヴァイス プレジテント
清水 明子 氏
新卒でP&Gマーケティング本部入社。マックスファクター、パンテーン等を担当後、読売新聞文化事業部に転職し美術展のマネージメントに従事。日本ロレアル、クラランスで化粧品のマーケティングに携わったほか、シャンパーニュ、ファッション等ライフスタイル領域でマーケティングに従事し、戦略設計と感性によるクリエイティブ思考の双方を強みとする。直近はLVMH傘下のロロ・ピアーナにてVice President Marketingを務めたのち、2022年資生堂入社。※登壇時:プレステージブランド事業本部 マーケティング本部長
清水 明子 氏
新卒でP&Gマーケティング本部入社。マックスファクター、パンテーン等を担当後、読売新聞文化事業部に転職し美術展のマネージメントに従事。日本ロレアル、クラランスで化粧品のマーケティングに携わったほか、シャンパーニュ、ファッション等ライフスタイル領域でマーケティングに従事し、戦略設計と感性によるクリエイティブ思考の双方を強みとする。直近はLVMH傘下のロロ・ピアーナにてVice President Marketingを務めたのち、2022年資生堂入社。※登壇時:プレステージブランド事業本部 マーケティング本部長
マインドの面では、P&G時代の1年目に先輩から言われた「すべては自分の責任である」という言葉を、今でも大切にしています。
上司を説得できなかったこと、担当ブランドの不振、他部署の協力が得られないことなど、あらゆる状況を自分の責任として考えるように教わりました。それ以来、どのような状況でも自責として捉えるようにしています。
実は私は、もともとマーケティングに興味があってP&Gに入社したわけではなく、偶然のご縁でマーケターになりました。振り返ってみると、私の「あまのじゃく」な性格が、マーケターとして活きていたのではないかと思います。皆が「これが当たり前だ」と口を揃えることを、あえて別の角度から見てみる。そういう思考の癖が、マーケターにとって重要な要素になっていると考えています。
廣澤 「あまのじゃく」な部分を最も発揮されたのは、どんな場面でしょうか。

花王 デジタル戦略部門 デジタル戦略企画センター 戦略企画部
廣澤 祐 氏
2015年に新卒として花王へ入社し、広告宣伝部(現メディア企画部)にてデジタルマーケティングを3年経験したのち、化粧品ブランドのマーケティングに3年従事。2021年1月より新設されたDX部門にて社内のデジタル化を推進。※登壇時:DX戦略部門 インタラクティブプラットフォーム統括センター オウンドメディアインプリメント部
【その他の経歴】
2020年より公益社団法人日本アドバタイザーズ協会デジタルマーケティング研究機構 U35 Project プロジェクトリーダーを務める。2021年に一橋大学大学院 経営管理研究科(MBA)を修了したのち、現在は同大学院の博士後期課程に在籍しイノベーション・マネジメント / MOTの研究に従事。その他、メディア連載やイベント協力などを務める。
廣澤 祐 氏
2015年に新卒として花王へ入社し、広告宣伝部(現メディア企画部)にてデジタルマーケティングを3年経験したのち、化粧品ブランドのマーケティングに3年従事。2021年1月より新設されたDX部門にて社内のデジタル化を推進。※登壇時:DX戦略部門 インタラクティブプラットフォーム統括センター オウンドメディアインプリメント部
【その他の経歴】
2020年より公益社団法人日本アドバタイザーズ協会デジタルマーケティング研究機構 U35 Project プロジェクトリーダーを務める。2021年に一橋大学大学院 経営管理研究科(MBA)を修了したのち、現在は同大学院の博士後期課程に在籍しイノベーション・マネジメント / MOTの研究に従事。その他、メディア連載やイベント協力などを務める。
清水 これまでさまざまな企業で働いてきましたが、必ずしも全員の同意を得られるとは限りません。たとえば、shu uemuraでピンク色の口紅のプロモーションを担当したときのことです。ピンクという色に対して一般的には「ガーリー」「スイート」「キュート」というイメージが定着しています。
しかし私は、キービジュアルにやや紫がかった鮮やかな「フューシャピンク」を採用しました。このショッキングピンクは通常では売れづらい色ですが、一般的な「ガーリーでキュート」という概念を超えるshu uemuraらしい「クールでエッジの尖ったピンク」の在り方を示して、「逆張り」のアプローチをとることで、競合との差別化を図ったわけです。